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一緒にやると運動は楽しいし、疲れない

どんなときに運動が楽しいと思いますか?人によっても違うでしょうし、競技によっても違うでしょう。競技での成功や勝利を楽しむ人もいれば、運動後の爽快感を楽しむ人もいるでしょう。色々な楽しさがありますが、運動の楽しさに関わる重要な要素に仲間の存在があります

運動を一緒にやる効果

Graupenspergerたちは、周りの仲間との一体感や自分自身の所属感が、運動の楽しさや疲労感に与える影響を調べました(Graupensperger et al., 2019)。人間は集団で生活する生き物なので、自分の望む集団に所属すること、そしてその中で上手くやれることに喜びを感じます。人によって差はありますが、ほとんどの人に多かれ少なかれそういう傾向があります。

この研究では、有酸素運動をグループで行うクラスにおける楽しさや疲労感に対する影響を調べました。有酸素運動クラスの内容はさまざまで、エアロバイク、格闘技エクササイズ、HIIT、エアロビクスなどでした。97人が研究に参加、平均年齢は42.35歳でした。つまり、対象者はおじさん、おばさんです

楽しさや疲労感に加え、参加するたびにクラスの一体感やそのクラスにおける自分自身の所属感を参加者は尋ねられました。例えば、「クラスはチームとしてどのくらい一体になっていましたか?」といった質問でした。

一体感や所属感を感じられるほど疲れないし、楽しい

測定の結果、一体感や所属感を強く感じられたクラスほど、疲れを感じず、楽しめたという結果が得られました。これは、個人でもそうですし、クラスごとに見ても同じでした。つまり、ある特定の人だけがそれを感じたのではなく、一体感や所属感が持てるクラスで運動をした人は、疲れず、楽しい時間を過ごせたのです。

一緒にやれる運動って?

中学や高校の部活と違い、大人になると時間を合わせて集まるのが大変です。サッカー、野球、バスケットボールのような競技人口の多いチームスポーツを続けるのが難しい理由の一つが、こういったスケジューリングの難しさです。また、チームスポーツは競技レベルが著しく違うと成り立たないので、初心者は始めづらいですね。

運動するためにフィットネスジムに通うひとも多いと思います。ただし、有酸素運動やウエイトは基本的に一人です。トレッドミルで隣のひとに話しかけるなんてことはありまえせん。漫画とかドラマではフィトネスジムで恋が芽生えたりするみたいですが、そんなことはありません。なお、大規模なジムですとクラスもありますが、なかなか参加しづらいですよね。

その点、格闘技はとても良いです。一人ではできないので必ず仲間ができます。また、対人格闘技の場合は、二人で始められますから、たくさんの人の予定を合わせる必要がありません。そして、実際に身体を組み合う競技では、その特性上、密にコミュニケーションを取らざるをえません。結果として、すぐに仲良くなってしまいます

そのためか、組技の格闘技であるブラジリアン柔術では、自然にクラスに一体感が生まれます。そのおかげだと思いますが、本来ならツラく強度が高い運動も、楽しくできてしまいます

大人になると友人が作りづらいとよく言いますが、柔術をやるとそんな問題はすぐに解決できます。もちろん運動不足も。

引用文献

・Graupensperger, S., Gottschall, J. S., Benson, A. J., Eys, M., Hastings, B., & Evans, M. B. (2019). Perceptions of groupness during fitness classes positively predict recalled perceptions of exertion, enjoyment, and affective valence: An intensive longitudinal investigation. Sport, exercise, and performance psychology, 8(3), 290–304.

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