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運動をどれくらいしたら健康に良いか?

前回のnoteで紹介したように、運動を楽しむ人か増えています。

スポーツ庁の調査によると、週3回以上運動するひとは成人の3割ほどになりました(スポーツ庁,2021)。習慣的な運動は心身を健康にしますが、週3回くらいの運動で十分なのでしょうか?

WHOのガイドライン

最近、改定されたWHO(世界保健機構)のガイドラインでは、中程度の運動強度なら1週間に150–300分、高い強度なら75–150分の運動が推奨されています(Bull et al., 2020)。

中程度の運動とは、少し息が上がるが会話できる程度のもので、早歩きやレクリエーションとしてのスポーツ(テニスなど not ガチテニス)が典型です。一方、高強度の運動とは、息が上がり会話ができないレベルのもので、ジョギング(ガチ)、水泳(ガチ)、競技レベルのウエートトレーニング、競技レベルの球技を指します。ですから、週3回の運動で、1回あたり中程度の運動を1時間弱行うならWHOの基準を満たすことになります。週3回以上運動している人ですら3割程度なのですから、日本の成人では、WHOの推奨する基準に大半が達していないと考えた方が良いでしょう

運動をするとどんな良いことがあるか?

この基準は、さまざまな健康や病気の指標について運動の頻度・強度との関連を大量のデータから調べた結果に基づいています。例えば、血圧や血中コレステロールなどの生活習慣病のマーカーや生活習慣病の発症率、精神的健康、転倒や骨折などの怪我、ガンの発症などなどとの関連が調べられました。WHOが推奨する基準を満たす運動をすれば、下に列挙した効果が期待できます。どれも薬物治療よりも大きな効果が期待されています。

・血圧が下がる、コレステロールが下がる
・心臓疾患・脳卒中が減る
・寿命が伸びる
・ガンが減る(大腸がん、乳がん、肺がん)
・転倒や骨折によるケガが減る
・体重、体脂肪が減る
・抑うつ症状、不安症状が減る
・睡眠障害が減る
・認知機能が改善する

いやはや良いことずくめですね。

でも、そんなに運動できない

とはいえ、150–300分もの運動を毎週やるのは難しい。誰にでも簡単にできるなら、週3日運動をする人が3割という結果になるはずがありません。

行動を習慣化するには環境を整えることが大切です。毎週、この時間は運動すると決めて、周りにも宣言し、運動の機会を確保しましょう。そのためには、場所や時間がそのために設定してあるとより効果的です。

そこでブラジリアン柔術がおすすめです

で、そういうことにとても向いているのがブラジリアン柔術です。多くの道場は毎日、クラスを実施しています。大抵の道場は平日の夜と週末は日中か夜、大きな道場だと毎日、朝昼晩と複数のクラスが開かれています。こんな感じなら、例えば、水曜日と土曜日は道場に行って練習をすると決め、比較的容易に習慣化できます

運動量も基準を十分に満たすものです。ブラジリアン柔術のクラスは、大まかに、ウォームアップ、テクニック指導、スパーリングという3つのパートに分かれています。それぞれがだいたい30分程度で実施されます。ウォームアップ、テクニック指導が中程度の運動、スパーリングが高強度の運動になるでしょう。ですから、ウオームアップとテクニック指導を週3回受けるだけでも、WHO基準を十分に超えます週2回でも悪くないでしょう。慣れてきてスパーリングをするようになるれば、基準を軽々と凌駕することになるでしょう。

ただし、慣れて来て週4回、果てには毎日練習ということになると、身体への負担も多くなります。やりすぎると怪我も多くなりますし、おじさんだと膝痛や腰痛の原因にもなります。そんなわけで、ほどほどに楽しくやると健康になると思います。

引用文献

・Bull, F.C., Al-Ansari, S.S., Biddle, S., et al (2020). World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. British Journal of Sports Medicine 54, 1451–1462.


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