白帯あるある「ルールは覚えたほうが良いですか?」
ブラジリアン柔術は格闘技ですし、護身術としても役に立ちます。とはいえ、愛好者の多くは競技やスポーツとして捉えていると思います。競技ですから、当然、ルールがあり、普段の練習でもそれが遵守されます。
ルールをあまり体系立てては教えない
ブラジリアン柔術は、打撃がなく、比較的安全な格闘技なので、ほとんどルールがわからなくてもとりあえず体験できてしまいます。面白さを初心者でも体験できるのはブラジリアン柔術の良いところです。そのせいなのか、多くの道場では競技ルールをあまり体系的に教えません。例えば、自動車教習所のようにルールを座学として学ぶことはまずありません。テクニック指導の中でなんとなく伝え、スパーリングでおかしなことがあったら修正する程度でしょう。
それでも、上達を目指すなら、ルールを理解することが不可欠です。ルールが理解できれば攻防についても理解も深まりますし、練習の組み立て方や取り組みも変わってきます。
橋本選手のアドバイス
橋本知之選手と淳選手が「兄弟トーク(初心者の柔術の上達の仕方について)」という動画を公開しています。
この動画では、日本を代表する柔術家の二人が初心者は「ルールを常に把握したほうが良い」と明言しています。さらに橋本選手達は、ルールから考えて「パスをさせないことがもっとも重要」と繰り返し発言しました。橋本選手達は初心者はそこから逆算して練習を組み立てることを提案しています。実際、ルールを把握すれば、(ある程度ですが)相手が次にやってくることも予測できますし、ディフェンスのポイントも絞られてきます。予測をし、ポイントを抑えて練習に取り組めば、なんとなくやっているよりも、はるかに上達が早いでしょう。
パスガードを防ぐ重要性
ルールから考え「パスをさせないことがもっとも重要」という橋本選手達の指摘は、試合の映像を確認すると良くわかります。普段の練習ですと、実力差があるので気づきにくいのですが、試合のように実力差が拮抗していると、はっきりとわかります。試合でパスガードを成功した選手は、ほぼ勝ちます。昨年、一昨年の全日本選手権ですとほぼそういう展開でした(ぜひYouTubeにある動画を確認してください)。なお、スイープはそこまで勝敗を決定づける要素ではありません。
パスワードが競技において重要なのは、繰り返しになりますが、ブラジリアン柔術のルールがそのように定められているからです。パスガードには3点のポイント与えられ、スイープやテイクダウンには2点しか与えられません。また、また、初心者の場合、パスガードを経由してマウントやバックといった4点ポジションを直接奪取することがほとんどです(直接はなかなか難しい)。また、これらのポジションは1本につながるサブミッションを仕掛けるにも有利です。残念ながらスイープやテイクダウンは、試合結果を決定づけるほど重要ではありません。
ところがルールが違うとパスガードの重要性は一変します。良く似た競技である柔道では、サイドポジションを奪うだけではポイントはつきません。ですから、柔道のルールから考えて、パスガードを防ぐことは重要ではありません。また、投げ技(柔術ではテイクダウンに相当)による1本勝ちがあるので、立技の組み立てを中心に練習することが理にかなっています。
似た競技でもルールによって戦い方が大きく変わります。当然、練習内容も練習すべき事柄も変わります。初心者の方は、当たり前ですが、知らないことばかりです。ルールは、初心者にとって何をすべきかを教えてくれるわかりやすい道しるべになると思います。
ルールを覚えるには?
とりあえず大雑把に覚えるにはJBJJFの「イラストでわかる簡単ルール解説」が良いと思います。
こちらのサイトもわかりやすくておすすめです。
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