柔術家の体脂肪率
ブラジリアン柔術には、有酸素運動と無酸素運動の両方の要素があります。そのため、半年ほど練習していると体つきがだいぶ変わってきます。単に痩せるだけでなく、それなりにがっちりしてくることが多い。また、体重制の競技なので試合に出る人は(レベルは人それぞれですが)身体を絞ることが一般的です。ガチ勢ですとかなり絞ります。
柔術家の体脂肪率を測ってみた
de Souza Cerqueiraたちは、90人のブラジリアン柔術家の体組織を調べ、標準的な体脂肪率を明らかにするとともに、ブラジリアン柔術家としての体脂肪率の基準を作成しました(de Souza Cerqueira et al., 2022)。ブラジルで取ったデータのなので、日本でそのまま当てはまるかは、少し微妙ですが参考にはなると思います。
どんな人たちか?
90人の柔術家は青帯から黒帯まで競技レベルはさまざま、体重もさまざまでした。平均年齢は29歳、平均して6年の経験がありました。初心者ではなくある程度やりこんだ人たちです。平均身長は175 cm、平均体重は82 kgでした。日本の30代の平均より身長だと5 cm、体重だと10kgほど大きいですね。
体脂肪率は?
体脂肪率は測定方法はBIA法で、基本的には家庭にある体脂肪計付き体重計と同じです。弱い電流を流してその抵抗から体脂肪率を予測するものですね。ただ、すごく高い機械を使いました。フィットネスジムなどにはたまにおいてあるInBody570で測定しました。200万円くらいするやつ。
測定の結果、柔術家の平均体脂肪率は17.3%でした。普通かな… あんまり下げすぎると競技的にはマイナスもあるので、この辺りなのでしょう。とはいえ平均のBMIは26.3で、日本の基準だと軽肥満になるくらい。しっかり筋肉がついている体型と考えて良いでしょう。
柔術家の体脂肪率基準
de Souza Cerqueiraたちは、平均を求めるだけでなく分布を調べて、どのくらいなら柔術家として体脂肪率が高く、逆にどのくらいなら低いのかの基準も作成しました。基準は以下の通りです。
非常に低い(<全体の10%) <7.7%
低い(<全体の25%)7.7–11.5%
中くらい(全体の50%)11.6–17.0%
高い(>全体の50%)17.1-24.0%
非常に高い(>全体の90%)24.1%
競技レベルでの体脂肪率
この研究で興味深かったのは競技レベルが上がるほど、体脂肪率が劇的に下がることでした。国際大会で活躍する選手の体脂肪率は平均で10%、全国大会に参加する選手では14%、そして地方大会に参加するレベルでは23%でした。
やはりガチ勢はかなり絞りますね。一流選手はもちろんですが、平均の体脂肪率やBMIを見ても、ブラジリアン柔術をそれなりにしている人たちはガッチリとして、しかも、それなりに絞れている健康的な体型をしていることがわかります。
引用文献
・de Souza Cerqueira, B., Baú Cerqueira, M., Costa Ferreira, W., Mendes de Oliveira, F., Vidal Andreato, L., Batista dos Santos-Junior, R., ... & Magnani Branco, B. H. (2022). Proposal of a Normative Table for Classification of Body Fat Percentage in Brazilian Jiu-Jitsu Athletes. International Journal of Morphology, 40(1).
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