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高校数学をプログラミングで解く(数学A編)「3-3 整数の割り算と商および余り」

割引あり

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はじめに

今回は、数学Aで学ぶ「整数と割り算と商および余り」について、特にプログラミングでよく利用される「余りによる整数の分類」を用いたプログラムの例を示します。

余りによる場合分け

プログラミングでは、「割り算での余りによる場合分け」を利用する機会が多いです。今回はその例を示します。

5で割った余りを用いた場合分けのプログラム例

まず、5 で割った余りを用いた場合分けのプログラムのソースコードを示します。

// 5の倍数を用いた場合分けの例
void setup(){
  size(300,300);
  noStroke();
  
  int w_num = width/10;  // 横に並べる数
  int h_num = height/10; // 縦に並べる数
  
  for(int i=0; i<w_num; i++){
    for(int j=0; j<h_num; j++){
      if( (i+j)%5 == 0 ){
        fill(255,0,0); // 赤色で塗りつぶす
      } else if( (i+j)%5 == 1 ){
        fill(0, 255,0); // 緑色で塗りつぶす
      } else if( (i+j)%5 == 2 ){
        fill(0, 0, 255); // 青色で塗りつぶす
      } else if( (i+j)%5 == 3 ){
        fill(255, 255, 0); // 黄色で塗りつぶす
      } else {
        fill(0, 0, 0); // 黒色で塗りつぶす
      } 
      rect(10*i, 10*j, 10, 10); // (i,j)の位置に正方形を描く
    }
  } 
}

ソースコード1 5で割った余りを用いた場合分けのプログラム

ソースコード1を、Processingの開発環境ウィンドウを開いて(スケッチ名を「division_into_cases」としています)、テキストエディタ部分に書いて実行すると、図1のように、実行ウィンドウのキャンバスに図形を描きます。

図1 スケッチ「division_into_cases」の実行結果

プログラムの解説

このプログラムはキャンバス上に10ピクセル×10ピクセルのサイズの正方形を縦横 30×30 に並べていくプログラムになっています。ただし、各正方形の色はその位置に依存して決まります。具体的には、横の位置 i 番目で縦の位置 j 番目の正方形の色は、

① i+j の値を 5 で割ったときの余りが 0 であった場合、赤色
② i+j の値を 5 で割ったときの余りが 1 であった場合、緑色
③ i+j の値を 5 で割ったときの余りが 2 であった場合、青色
④ i+j の値を 5 で割ったときの余りが 3 であった場合、黄色
⑤ i+j の値を 5 で割ったときの余りが 4 であった場合、黒色

となるように場合分けで決めています。

おまけ

ソースコード1では i+j の値を考えましたが、i+2*j の値を 5 で割った余りで場合分けした場合を考えてみます。

// 5の倍数を用いた場合分けの例2
void setup(){
  size(300,300);
  noStroke();
  
  int w_num = width/10;  // 横に並べる数
  int h_num = height/10; // 縦に並べる数
  
  for(int i=0; i<w_num; i++){
    for(int j=0; j<h_num; j++){
      if( (i+2*j)%5 == 0 ){
        fill(255,0,0); // 赤色で塗りつぶす
      } else if( (i+2*j)%5 == 1 ){
        fill(0, 255,0); // 緑色で塗りつぶす
      } else if( (i+2*j)%5 == 2 ){
        fill(0, 0, 255); // 青色で塗りつぶす
      } else if( (i+2*j)%5 == 3 ){
        fill(255, 255, 0); // 黄色で塗りつぶす
      } else {
        fill(0, 0, 0); // 黒色で塗りつぶす
      } 
      rect(10*i, 10*j, 10, 10); // (i,j)の位置に正方形を描く
    }
  } 
}

ソースコード2 ソースコード1の「i+j」を「i+2*j」にした場合

ソースコード2を、Processingの開発環境ウィンドウを開いて(スケッチ名を「division_into_cases2」としています)、テキストエディタ部分に書いて実行すると、図2のように、実行ウィンドウのキャンバスに図形を描きます。

図2 スケッチ「division_into_cases2」の実行結果

このように、割られる数(ソースコード1の「i+j」)を変えたり、割る数「5」を他の整数に変えたりしてみると、様々な図形が描けます。

まとめ

今回は、数学Aで学ぶ「整数と割り算と商および余り」について、特に「余りによる整数の分類」を用いたプログラムの例を示しました。一般的にプログラミングで、「余りによる場合分け」を行うことはよくあります。この場合分けの利用方法はぜひ身に着けておいてください。

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参考文献

改訂版 教科書傍用 スタンダード 数学A(数研出版、ISBN9784410209277)


演習問題

ソースコード1では i+j の値を考えましたが、i*i+j*j の値を 5 で割った余りで場合分けした場合を考えてみてください。


演習問題の解答例

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