数学花壇 〜放物線編⑦〜
エピソード7:見て納得!見なくても納得!
は、はい、いい天気です。
って急に天気の話?!
「今日は実にいい天気じゃのう。」
そうですね。いい天気です。
「今日は実にいい天気じゃのう。」
ん?!繰り返した?!天気の話じゃない?
そうか、『実に』か!
はい、分かりました。実数です!
「うむ。して点Dはx=-1上のどの点でもあり得る証拠はどうかのう?」
そうそう、実数と分かったところで証拠はどうするんだ?
「お手玉2つが役に立つのう。」
お手玉2つですか?
「うむ。2つにしたからこそ証拠も見つけやすいのう。」
すいません。こんなにヒントをいただいているのにお手上げです。
「正直でよき。変数tについての2次方程式 t²−2t+4=0 の解は何かえ?」
そのまま解いたら虚数解になってしまう。それを答えればいいのかな?それとも・・・
確認させてください。解は実数の範囲でしょうか?
「なぜその質問をしたかのう?」
それは解が虚数解になるのでそれを答えてよいか迷ったからです。
「虚数解になることはどうして分かったのかのう?」
それは解の公式で計算・・・いや判別式で分かるからです。
「それじゃ。判別式で証拠が探せるのう。」
「αとβを解にもつ2次方程式を1つ言うてみよ。」
ええっと、(t-α)(t-β)=0です。
「αとβは異なる実数解なんじゃろう。」
そうか!この2次方程式に対して判別式を使えばよいのか!
少し時間をください。今調べてみます。(調べる内容は放物線編⑥参照)
ありがとうございます!点Dはx=-1上のどの点でもあり得る証拠を示せました。
「よき。目で確かめて実感、違う側面から確かめて体感じゃ。はっはっはっ。」
また、実感、体感と言っている。一体何なんだろう。
「さて、せっかくここまで話を進めてきたから、もう少し話をするとしようかのう。」
ぜひ、お願いします。
「途中で出てくる⑤の式、αβ=−4にはまだ隠されていることがある。」
隠されていることですか?
「うむ。この式から気づけたならおぬしはよく観察している。」
いやいや、観察も何も全然わからないんですけど。ん?観察?
よく観察するとわかることなんですか?
「そうじゃのう。よく観察するとよい。」
うーん、2つの接線の交点が準線をつくる。交点は準線上のどの点にもなりうる。それ以外に何が観察できる?
「よく観察していると変わっていないものが見つかるじゃろう?」
「変わっていないもの?2つの接点を結んだ直線は焦点を通る。それ以外には?
「接線と接線はどうなっておるかのう?」
接線と接線?交わっているけど。ん?垂直に交わり続けている?
もしかしてですけど、2つの接線は垂直に交わっていますか?
「そうじゃ、面白ろかろう?」
対称軸に平行に入射した光が反射して焦点を通り、再び反射して対称軸に平行に光は出ていく。その裏側で、反射点(接点)における接線の交点は準線をつくり出し、しかも接線は垂直に交わっている!事実として伝えられただけじゃ、この面白さには気づかなかった!
ありがとうございます!とても面白かったです!
「待て待て、観察しただけで本当にそうなるかは確かめておらんじゃろう。」
そうでした。今確かめてみます!確か接線の方程式は・・・(放物線編⑤参照)
これでよいでしょうか?
「よき。これで2つの接線は常に垂直に交わることがわかるのう。」
はい、本当にありがとうございました。
「そう急くこともなかろう。数式で確かめられたということは図形としても確かめられる。確かめてみようかえ。」
分かりました、確かめてみます!
図形的にも確かめられた。これは目で確認できるから安心感がある。
できました!こんな感じです。
「よきよき。これでおぬしはParabolaと仲良くなれたはずじゃ。」
はい、おかげさまでずいぶん仲良くなれた気がします。
「はっはっはっ。ではParabolaをつくり出してみせよ。」
Parabolaをつくり出す?何を言っているんだ?正方形と長方形の面積の一致がParabolaだとこの爺さんは言ってたじゃないか?!
エピソード8に続く。
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