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この世界の片隅に('16「この世界の片隅に」製作委員会)〈特装限定版・2枚組〉

視聴は1回。美品です。

こうの史代の原作漫画を丁寧にアニメ化した、
片渕須直監督の大ロングランヒット作です。
主人公のすずさんを当時、所属事務所とのトラブルで、仕事に恵まれていなかった能年玲奈が演じ、この起用に当たって芸名を「のん」に改名して熱演しました。


映画は昭和8年から昭和20年8月の原爆投下前後までの広島と呉を驚くべき緻密な考証で描き出し、当時の呉の町の商店の中にいる店員まで再現して当時を知る現地の老人を驚かせました。

完全主義とも思える片渕監督の執念と、のんの声優がハマり役だったこともあり、初公開時、63館で封切られた映画は翌年484館に拡大して、各映画賞を総なめにして、ミニシアター系では1年以上に及ぶ異例のロングランを続けました。

ヒットを受けて片渕監督が泣く泣くカットしたシーンを増やし、「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」として公開され、オリジナルより40分も長いに関わらず、こちらもヒットしました。オリジナルでは端折られていてよくわからなかった場面やセリフが、ロング版ではなるほどと納得するものがあるので、もし見ていない方はロング番組もご覧になることをお勧めします。

「映画は観客が作るものである」という当たり前の事実をこの映画ほど証明した作品はありません。いい企画を、才能ある監督が本気で作るならヒットするのだ、と思わされますが、現実にそういうことは滅多にありません。

その意味では、今後、映画作りを志す若者の指標となるような作品だと思います。

「この世界の片隅に('16「この世界の片隅に」製作委員会)〈特装限定版・2枚組〉」
のん / 細谷佳正 / 片渕須直


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