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抹茶ババロアの新境地|神楽坂 紀の善

紀の善の抹茶ババロアは「三位一体 さんみいったい」。あんこ・ババロア・生クリームのどれが欠けても成り立たない。この3つがあわさって完成形。クリームの濃厚さ、抹茶のまろやかな苦味、粒あんのおさえた甘み。全部が口のなかで、絶妙なバランスで広がる。洋菓子でも和菓子でもない、ここだけの特別な味。

ひかれたのはおかみのエピソードから


「なんとなく邪道だよな。」抹茶ババロアと聞いて、大の和菓子好きである私が思ったのはそんな印象だった。だって、あんこにクリームをつけたら甘ったるくなるじゃん。それに抹茶スイーツというジャンルも、和菓子のくくりにあまり入れたくないんだよね。

と思ってたけど、Netflixで尾上松也さん演じるさぼリーマンが、この抹茶ババロアがなぜ誕生したのかを説明していて、がぜん興味がわいてきた。

この抹茶ババロア、25年前にとある洋菓子店で抹茶ケーキを現在の女将が口にした際、ライバル心がメラメラと燃え、「これより美味しい抹茶のお菓子を作ってみせる」と思ったことが誕生のキッカケ。

女将の試行錯誤とホンモノ志向が伝わってくる。何より神楽坂という舌の肥えたお客さんが多い街ずっと店の看板商品を張ってるんだから、これは和菓子好きなら一度食べておかなきゃならないんじゃないか。そう思って行ってみたんです。

▼おじいちゃんとおばあちゃんがテイクアウト商品を見てる

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予想以上のさっぱり感


入店後すぐに注文して運ばれてきた抹茶ババロア。きれいな色のババロアがぷるんぷるんと揺れている。

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まずは真ん中のババロアをひとくち。あれ、甘さがほとんどない。抹茶本来の苦さがほんのり。よく街で見かける抹茶スイーツとは一線を画してる。これは「本気」の抹茶スイーツだ。

次に、粒あん。これはかなり控えめの甘さ。甘味が後に残らず、すっと消えていく。特に、このつぶつぶの食感。ちょうどいい炊き加減。

そして、生クリーム。え、濃厚なのにあっさりしてる。クリームの独特の香りがしない。全然重くないな。

最後に、この3つをひとつのスプーンにのせて全部一緒に頬張ると「おおっ!甘みと苦味と濃厚さがひとつになった!最高においしい〜〜!」

これはたしかに和菓子じゃない。でも洋菓子でもない。これは紀の善にしか表現できない抹茶ババロアっていう新しいスイーツ。

きっと生み出した女将が何度も何度も試作して、食感や香りや後味を計算して生み出されたレシピなんだろな・・。それをずっと丁寧に継承しているんだろう。こんなにおいしいなら、もっと早く食べにくるべきだったー。

特筆すべきは粒あん


和菓子好きとしては、やはりあんこに注目したい。じつは、ここの粒あんはかなり好みだった。豆っぽさが残る素朴な風味があるのに、洗練されている都会っぽさも感じられる。粒あんなのにボテっとしてないから、ずっと食べ続けられそう。このお店は確実にこしあんよりも粒あん推しかな。

テイクアウトも充実してるから、家族にもお土産を買った。きっと娘も喜んでくれるはず。

▼ 紀の善の様子はこちらから(45秒の動画)

紀の善の店舗情報

紀の善きのぜん
住所/東京都新宿区神楽坂1−12 電話/03-3269-2920
営業時間/火~土曜:11:00~20:00、日祭日:11:30~18:00。月曜定休(祝日は営業、火曜が休み)
公式HP http://www.kinozen.co.jp/

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