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『ワギニスムス女子』を読んで

セックスができない、挿入障害「ワギニスムス」に悩む4人の女性の短編集。ハードカバーの本を想像していたら、無線閉じ本でした。ハードカバー価格というよりは、自費出版価格?

ワギニスムスに悩む人向けに書かれた小説です。私がそうですが、いろいろなところで「わかる!!!」と全肯首しながら読みました。4人の女性はそれぞれ違う立場ですが、それぞれに共感できる部分がありました。
2、3時間ぐらいで読み終わります。

以下、多少のネタバレを含む感想です。


読みながらボロボロ泣きました。
特に最後の千冬さん。世の中のみんなが当たり前にやっているセックスができないことに悩み、自らを蔑み荒れてしまう。同じことを思ってしまう身としてかなり共感できました。
ここに共感して気がついたのが、私自信も完璧主義的な側面があるということ。私は千冬さんのように優秀ではないけれど(笑)、親に厳しく育てられたことで完璧主義な側面があり、恐らくセックスも同じように考えてしまっているのではないかと。

しかし千冬さん、人を見る目がめちゃめちゃある。なんて人間のできた旦那さんなんだ……。妊娠だけならシリンジ法などの解決策もあるようなので、そこに言及があると更に良かったんじゃないかなあ、と。


千春さんの章での、多くの人が「まるで跳び箱をびゅんびゅん飛ぶように」簡単にセックスを済ませている、という一文にも共感。思えば跳び箱も、飛べたことがない私。苦手なものはとことん苦手なのですよね。
初体験のセキララ告白〜みたいなの、大体が「すごく痛かった」か「意外と大したことなかった」の二極化で、「痛くて入りませんでした⭐︎」なんて見たことないからなあ。もしかしたらそういう人は、誰にもどこにも言えずにいるから、かもしれない。私もここのnoteで初めて発信したから。

千夏さんの章で、男性のインポテンツに対してワギニスムスを位置付けているのもなるほどなあと。勃起不全のインポテンツに対して認知度はかなり低い感じがするので、インポの反対がワギニ、と言えば分かりやすそうですね。私は実際に自分がその立場になるまで知らない言葉でした。

千秋さんの章で出てきたヒプノセラピーもちょっと興味ある。前世の因果は正直考えたことあります……!

登場人物はそれぞれの解決策を見出して前進していきます。最初の千春さんの選択はなんとも言えない後味だけど、恐らく同じ方法で解決する人も実際いるんだろうな、という納得感もある。
どの方法が自分に合っているかはやってみないとわからないけれど、同じことで悩んでいる人がいる、自分一人だけじゃない、それだけで励まされる気持ちになります。ただこれは小説を読むだけじゃなく、noteやインターネットを見ていても励まされることですね。
私もいつかは「ワギニスムスに悩んでいたけど解決しました!」って言いたいな。言えるかな。絶対言ってやるーーッ(目指せセックスマスター)(セックスマスターとは)


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