第8話 在留カードを所持していない外国人は雇うことはできるのか?
前回は在留カードの確認について解説していましたが、その在留カードを持っていない外国人は雇えるのでしょうか?
改めて解説すると在留カードとは、三カ月以上日本に暮らす外国人に対して、上陸許可や在留資格あるいは変更許可、在留期間の更新許可などの在留に係る許可に伴って交付されるものです。
なお、在留資格が短期滞在(九○日)の場合においては、在留カードの交付対象者から除外されており、交付対象者は中長期在留者に限定されています。
これらは外国人本人が認識しておくべきお事ですが、意外とわかっていないので受け入れ担当者はしっかりと理解しておきましょう。在留カードは、日本に中長期間適法に在留する外国人にのみ交付され、不法滞在者等には交付されません。
在留カードには、顔写真のほか氏名、国籍・地域、生年月日、性別、住居地、在留資格、在留期限、許可の種類及び年月日、在留カードの番号、交付年月日及び有効期間の満了の 日、就労制限の有無、資格外活動許可を受けているときはその旨が記載されます。
在留カード記載事項に変更があった場合は届出が必要で、氏名、生年月日、性別又は国籍・地域に変更が生じた場合、変更があった日から一四日以内に在留審査を行う最寄りの地方出入国在留管理局に届け出る必要があります。
「住居地を新たに定めた場合及び住居地に変更があった場合は、住居地を定めた日から 一四日以内に住居地の市区町村で住居地を届け出る必要があります。また、その後住居地 を移転した場合も同様です。
在留カードは常時携帯することが必要で、入国審査官、入国警備官、警察官等から提示 を求められた場合には、提示する必要があります。在留カードを携帯していなかった場合 は二〇万円以下の罰金、提示に応じなかった場合は一年以下の懲役又は二〇万円以下の罰 金に処せられることがあります。
日本で就労する外国人は、就労を目的とした在留資格(就労ビザ)の取得が必須で「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」のいずれかの在留資格を取得している場合は、日本国内のどのような仕事(風営法上の仕事は除く)に就くことができ、自由に転職することも可能です。
この在留資格を保有していない場合には、原則、職種や業種に適した就労ビザを取得 する必要があって、就労ビザを取得せずに日本で働いた場合には不法就労となりますので注意が必要です。
外国人労働者が転職したり、在留資格を変更したり、在留期間の更新をした場合には、 その旨を申請する必要があります。
したがって短期間滞在する外国人を除いては、就労する外国人は就労ビザを取得する義務があって、これを怠ると刑罰を科せられることになります。
その外国人を雇用しようとする企業は、その外国人が在留カードを所有しているか、就労ビザを取得しているかどうかについて提示を求めて確認する必要があり、在留カードに記載の「就労制限の有無」などを確認してから雇用すべきです。
外国人労働者のなかに多くの不法就労者が含まれていることを考慮すれば、就労できる 在留資格を有しているか否か、ぜひ調査してみる必要があるでしょう。