会期:2024年3月30日(土)〜6月9日(日)
ここは市立の小規模美術館ながらたまに面白い企画を行う。
静かな公園の中にあり湘南の隠れ家的なのんびりした雰囲気がなかなか良い。
だが、今回は何やらものものしい雰囲気。
駐車場には高級セダンが並び警官が立って封鎖している。
館内に入ると作家本人がいた。
何やら偉いっぽい人たちに自らの作品を解説している。
結構な人数のSPや取り巻きがいた。
階段やトイレなどもがっつり警備をするなど万全の体制。
取り巻きの中には茅ヶ崎市長や美術館長もいたが完全におまけっぽい感じだったので何処かの大使レベルの御一行だったのだろう。
作家の歴からするとアメリカ大使館関係だろうか。
ちなみにこの真悟さんはなんとあのサム・フランシスの息子。
昨年、生誕100周年記念として東京都現代美術館常設展の最初の部屋を丸々使って展示されていたサム・フランシス。
通称「サム・フラン室」(今私が命名)
…真悟さんに話を戻そう。
天窓を開放して上からの自然光を柔らかく当てていた。
見る角度で輝きが変わる。
螺鈿のような美しさ。
15〜20層の半透明の油絵具を重ねているとのこと。
単純なベタ塗りでは表せない深みのある色味がエモい。
壁一面の習作。
マーク・ロスコ感が強い。
やはり父の時代の影響だろうか。
最後の部屋のパノラマ作品。
近くで見ると顔料に含まれる粒子がキラキラと光りひそやかに存在感を主張する。
著名な父を持つというプレッシャーは大きいだろうが、逆にそのアドバンテージも大きいはず。
真悟氏はカリフォルニア育ちとのことなので湘南との相性が良いのか、海や空を感じさせる作品群は茅ヶ崎市美術館の雰囲気に合った展示だった。
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