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【美術展2024#33】フランシス真悟 色と空間を冒険する@茅ヶ崎市美術館
会期:2024年3月30日(土)〜6月9日(日)
優れた色彩で人々を魅了し、世界的な活躍をみせる現代アーティスト・フランシス真悟の国内初となる大規模個展を開催します。アメリカ・サンタモニカ生まれのフランシス真悟は、日本とアメリカをルーツにもち、幼少期より色彩がもつ豊かさに触れ、色彩が人にもたらす知覚体験について探求しつづけてきました。絵画によって何ができるのかを自身に問う姿勢のもと、何層にもおよぶ色の重なりや、色彩の微細な組み合わせによって、崇高で静謐な絵画空間を創り出します。
代表作ともいわれる「Interference」シリーズは、絵画の顔料に含まれる粒子に光が反射し、観る人の角度より様々に表情を変える作品として知られ、シリーズの一つとして昨年、銀座エルメス フォーラムで7mにもおよぶ壁画作品《Liminal Shifts》を発表。ガラス造りの展示空間に差し込む自然光を受け、刻々と姿を変える神秘的な作品は大きな話題を呼びました。
哲学的な思想のもと青一色で塗りこめた画面により瞑想的な空間を創り出す「Blue’s Silence」シリーズ。二次元の絵画の中に多次元な世界をイメージさせる「Infinite Space」シリーズ。ロサンゼルスでのコロナ禍の閉塞的な状況に抗うかのような思いで描いた、鮮やかな色彩による日記ともいえる「Daily Drawing」シリーズ。人々を包みこむドローイング・インスタレーション「Bound for Eternity」シリーズなど、1980年代の初期からの多様な絵画作品、約100点が一堂に会する貴重な機会となります。
さらに、本展のために当館の自然光が差し込む展示空間を活かした作品約10点を新たに発表。
絵画のメディウムを実験的に扱い、色と空間を冒険するかのように作品を制作する注目の現代アーティスト・フランシス真悟が湘南で放つ唯一無二の絵画空間をぜひご体感ください。
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ここは市立の小規模美術館ながらたまに面白い企画を行う。
静かな公園の中にあり湘南の隠れ家的なのんびりした雰囲気がなかなか良い。
だが、今回は何やらものものしい雰囲気。
駐車場には高級セダンが並び警官が立って封鎖している。
館内に入ると作家本人がいた。
何やら偉いっぽい人たちに自らの作品を解説している。
結構な人数のSPや取り巻きがいた。
階段やトイレなどもがっつり警備をするなど万全の体制。
取り巻きの中には茅ヶ崎市長や美術館長もいたが完全におまけっぽい感じだったので何処かの大使レベルの御一行だったのだろう。
作家の歴からするとアメリカ大使館関係だろうか。
ちなみにこの真悟さんはなんとあのサム・フランシスの息子。
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昨年、生誕100周年記念として東京都現代美術館常設展の最初の部屋を丸々使って展示されていたサム・フランシス。
通称「サム・フラン室」(今私が命名)
…真悟さんに話を戻そう。
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天窓を開放して上からの自然光を柔らかく当てていた。
見る角度で輝きが変わる。
螺鈿のような美しさ。
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15〜20層の半透明の油絵具を重ねているとのこと。
単純なベタ塗りでは表せない深みのある色味がエモい。
壁一面の習作。
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マーク・ロスコ感が強い。
やはり父の時代の影響だろうか。
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最後の部屋のパノラマ作品。
近くで見ると顔料に含まれる粒子がキラキラと光りひそやかに存在感を主張する。
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著名な父を持つというプレッシャーは大きいだろうが、逆にそのアドバンテージも大きいはず。
真悟氏はカリフォルニア育ちとのことなので湘南との相性が良いのか、海や空を感じさせる作品群は茅ヶ崎市美術館の雰囲気に合った展示だった。
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