会期:2024年2月6日(火)〜4月7日(日)
まだ自分が生まれる少し前の時代。
1960年代~70年代前半の日本の空気感に対し、なんだかこう暴力的というか刹那的というか、社会が高度成長に向かう過程での未成熟さが浮き彫りになっているような印象を持っていたが、今回の展示はまさにそんなイメージが際立って描かれていたように感じた。
中平氏は公権力や資本主義に批判的なスタンスをとっていたとのことなのでそれも要因なのかもしれない。
しかしそんな尖った思想の人の展示をよく国立の美術館で企画できたな。
晩年の作品は以前のような棘も薄れていた。
悪い言い方をすれば写真好きのおじいさんの趣味写真みたいな印象を受けた。
けれどそんな晩年も悪くないかもしれない。
いずれにせよ自分の人生を全うして後世に残るものを形にできたということはきっと幸せなことなのだ。
晩年の縦構図のカラー写真が規則的に並ぶ光景は、Instagramやスマホ写真のサムネ画面のようにも見え、なんだか逆に今っぽく思えた。
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