【美術展2024#12】オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期@麻布台ヒルズギャラリー
会期:2023年11月24日(金)〜2024年3月31日(日)
新たに開館した麻布台ヒルズギャラリーのこけら落とし。
企画が森美術館館長の片岡氏ということもあり、同時期に近場の森美術館で開催されている展覧会「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」と合わせて、一企業としての、そして日本を代表する私立美術館としての未来へ向けてのエコロジーやサステナブルに対する強い矜持やメッセージを感じた。
企画展とはこういうものだよな。
「終わりなき研究」の機械を操作して描かれるドローイングを持ち帰ることができる体験付チケットが欲しかったがすでに当日券完売だったのが悔やまれる。
やはりどうしても気になり後日事前予約して体験付チケットを確保し再訪。
自分で台を動かし、ペン部にも勢いを加えてそれぞれの動きの組み合わせで図像が描かれる仕組み。
壁に貼ってある参考作品のような立体感のある宇宙っぽい図像を狙ったのだが、シンプルで平面的な円形になってしまった。
自分の平凡な内面が見抜かれているようでなんだか切なくなった。
暗く広い部屋に吊るされ回転するホースから流れ出る水。
ストロボの光で切り取られる瞬間の連続。
見えるものはコマ送りなのに、聞こえる音は連続している。
水の描く軌跡、水が床に落ちる音。
普段気にも留めないような物事に対しての感覚が顕著化され、それを美しいと感じることに気付かされる感覚に気付かされた。
ややこしい言い回しだがメタ認知みたいな感覚か。
地球の重力や水が床に落ちてびちゃびちゃいってる音さえも美しいと思ってしまった。
会場出口付近のインタビュー動画
「私は特別なことはやっていない。ここに展示されているものは隣に住む美術に関心の無いおばちゃんだってやろうと思えばできる作品だ。なんでもないものの中に美を発見できるかどうか、その感覚が大切だ。」
(思いっきり意訳。たしかこんな感じのことを言っていた、はず)
現代美術作品の形態は多様化し、映像やデジタルデータ、画面の中だけの作品、形に残らない作品なども多い。
それらはそれらなりの作品の方向性や文脈があると思うし時に気付きを与えてくれるが、単純に好みの話をするのなら、やっぱり私は問題提起と共になんらかの美しさ、物質感(素材感)、人間の感覚などが介在している作品の方が好きだなと改めて思った。
このモジュールの11面体パーツをバラ売りでそのまま売って欲しいと思った。(サイン入りだとなお良い)
絶対売れるはず。多少高くても私は欲しい。
気軽にアートピースを所有できて、それこそエコロジーでサステナブルで地球も綺麗になり制作資金調達にもなると思うのだがいかがだろう。
ミュージアムショップでは3Dプリンタで起こしたプラ素材のモジュール模型がいくつも置いてあったけれど非売品だった。
Tシャツとかではなくこういうのが欲しいのに。
シルバー素材の小さいやつもあったがこれはなんか違うと思った。
麻布台ヒルズ低層部の建築群はトーマス・ヘザウィック率いるへザウィック・スタジオによる設計。
昨年森美術館東京シティービューにて「ヘザウィック・スタジオ展」が行われたのはこのこけら落としの伏線だったか。
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