【美術展2024#29】テルマエ展@パナソニック汐留美術館
会期:東京会場@パナソニック汐留美術館
2024年4月6日(土)~6月9日(日)
巡回:神戸会場@神戸市立博物館
2024年6月22日(土)~8月25日(日)
ローマ史上最大の暴君とされるカラカラ帝様がおいでなすっていた。
その昔、私の若かりし頃に彼の石膏像は嫌というほど見たが大理石像の現物は初めて見た。
もうこの時点でこの展覧会に来た目的をほぼ達成してしまった。
元ネタはさすがに細部までびっちりと彫刻されている。
髪の毛や布の表現も素晴らしいが何よりも眼力が凄まじい。
一方、もう一体展示されていたアグリッパ像はせっかくローマで最初のテルマエを作ったお方のはずなのに会場には石膏像しかなかった。
さすがにルーブル美術館からは借りてこれなかったか。
石膏像業界的にはアグリッパの方がメジャーなのにその対比がなんだか切なかった。
カラカラ浴場の創造復元図やCGからは当時のかなり高度な技術・文化・民度などが伺えた。
入浴しながら壁画や彫刻を愛でる美術館的側面もあったようだ。
日本の銭湯の風景画を大規模にしたような感じだろうか。
展覧会は残念ながらローマ側の資料のほとんどが撮影不可だった。
一方日本側のブースは撮影可。
西洋人が描かれている。
100年以上前に現代のような入浴剤があったというのも驚きだ。
銭湯の模型展示。
東京大田区の明神湯という銭湯の昭和32年創業時の再現だそうだ。
細部まで作り込まれて見応えがある。2008年制作。
元々の色は白だったが汚れや傷が目立つため間も無く黄色に変更されたとのこと。
現行品は物販でも販売されており手に取った勢いで危うく買いそうになったが、やっぱり我が家のテイストとは合わないかなと冷静になってそっと戻した。
現代の健康ランド的な温泉施設も何百年後かには学術的対象として様々な研究がなされたりするのだろうか。
直島の「I♥湯」とかどんな考察がなされるのか非常に興味深い。
【美術展2024】まとめマガジン ↓