【美術展2025#10】真正の画工 創造と革新の道 Digital×北斎【急章】その2@NTTインターコミュニケーションセンター(ICC)
会期:2024年11月9日(土)〜2025年3月30日(日)
ICC20周年記念事業の一環として、2019年から始まった体験型展示イベント「Digital×北斎」の第5弾。
最先端デジタル技術を駆使したレプリカや映像などが展示されている。
今まで色々な場所で北斎の本物を見てきているし、正直この企画のためだけにわざわざ初台までは訪れなかっただろうが、その日は東京オペラシティアートギャラリーの「今津景」展、ICCの「evala」展とハシゴしてきたので、ここまできたらついでにハシゴしていくことにする。
会場内の作品は撮影可だがキャプションや資料は撮影不可という謎ルール。
このような俯瞰地図は私の大好物。
掛け軸も再現。
所蔵先から唯一公認されたマスターレプリカを活用して20億画素の超高精細デジタル記録と3次元質感画像処理技術により和紙の繊維の一本一本から微細な刷りの凹凸まで現物を再現している、とのこと。
確かに色味や質感は本物と見紛うほどのクオリティ。
美術作品を見慣れている人ならレプリカということは判別できると思うが、見慣れていない人なら多分全くわからないと思う。
そもそも元々が紙への版画だし色味も少ないのでこのようなアーカイブ技術と北斎は相性が良さそうだ。
今回の第5弾の目玉である祭屋台の天井絵。
4Kデジタル配信絵画や裸眼VR、リアルな絵画が動くムービングアートピクチャーなど様々な最新デジタルアプリケーションも展示されている。
ICCならではだなあ。
裸眼VR映像。
大波が押し寄せる。
画面の外の世界に作品のイメージを広げてみる、という映像。
福田美蘭のドラえもんを思い出した。
シアターでは時間の都合で一本だけ「ジャポニズムと北斎」を見た。
日本視点では「美術史のメインストリームに躍り出て世界の美術に多大な影響を与えた素晴らしい日本美術!」くらいの大げさな表現もあったりする。
だが西洋視点で見ると、実際はアフリカの仮面とか置物と同じような「辺境の地の珍しい表現のひとつ」くらいの位置付けで、あくまでも西洋美術の本流に対して数多ある細い支流としての評価だったのだと思う。
とはいえ確実に影響を与えた作品は存在するし、それらの作品や北斎の重要性が揺らぐというわけではないが。
75歳になっても「画狂老人卍」みたいな厨二病炸裂のマジ卍な画号を名乗っちまうようなアグレッシブな感性を持った爺さん。
私も75歳くらいまで生きた暁には「Super mata ultimate X Ver.2 a.k.a. CRAZY JOURNEY, feat. Pablo Picasso」くらいはかましてやろうと思う。
そういう者に私はなりたい。
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