糀の魅力を発信~日本人を支えた歴史
こんにちは
「糀の可能性をあなたの食卓に!」ますやみそ人事部です。
今日はそもそも「糀」って何?素朴な疑問にお答えします。
こうじはどちら?麹?糀?
「麹」は、中国からきた漢字そのまま
「糀」は「米にコウジカビが生える様子が、花が咲くように見える」ことから、日本でつくられた国字です。
ますやみそのソウルフルこうじ君の名前も、そこから来ています。
漢字が違うだけ、と思っていただけたらと思います。
厳密にいうと、中国、朝鮮で酒造に用いられる麹はクモノスカビ(Rhizopus)やケカビ(Mucor)。
蒸したコメを原料にして散麹をつくるものこそ、米粒に相性の良い米糀菌(Aspergillus oryzae)=コウジカビとなります。
カビを利用した発酵食品は東アジアや東南アジアの国々にもありますが、コウジカビを使っているのは日本だけ。2005年に麹菌の全遺伝子配列が明らかにされたのを機に、日本醸造協会が「麹菌」を日本の貴重な財産として「国菌」に認定しました。
室町時代に大喧嘩!糀をめぐる争い
飛鳥時代後期から奈良時代にかけて米の栽培が安定し、酒造りの技術が上がるにつれて、人が酒を飲む機会も増えてきました。神社は糀と酒を造り、また糀を酒蔵に売り、税金を収めました。この独占販売できるところを「麹座」といいます。
室町時代になると酒の消費量が増え、「麹座」の糀だけでは間に合わないこともしばしばでした。
酒が日常的になるにつれ、以前から「麹座」による糀の独占を良く思っていなかった人たちの我慢は限界に達していました。
両者の確執は高まり、ついに「麹座」が襲撃されるようになってしまったのです。
その代表格が延暦寺。その対立はエスカレートしていきましたが、幕府は延暦寺からの抗議に押され、北野麹座の独占権の廃止を認めます。
これに反対する麹座の面々は北野天満宮に立て籠もりますが、幕府側に鎮圧され、この事件(文安の麹騒動)により天満宮が焼失し制圧されてしまいました。
こうして「麹座」制度はなくなり、酒蔵も寺院も堂々と糀から酒を造るようになりました。糀の技術は、各地、各蔵で競い合うように向上していきます。
糀の知られざる栄養と可能性
こうじ菌はカビなので、そのまま食べることはありません。こうじ菌が作った「こうじ」を摂取することによって、様々な有益な成分を取り込むことができます。具体的には、酵素、ビタミンB群、必須アミノ酸、ミネラル、そして食物繊維などが含まれています。
こうじ菌に含まれる酵素は、私たちが摂取する食べ物が持つ栄養を分解して、消化や吸収を促進する役割を果たします。この酵素の恩恵を得るためには、温度管理が重要です。こうじは30~35℃が一番繁殖しやすいため、35℃を超えないように厳密に温度管理する必要があります。
例えば市販の加熱殺菌された甘酒は、この効果が失われていると言えるでしょう。しかし、菌が死んでも腸の善玉菌の餌となり、腸内環境を整えてくれる働きがあります。
その他、手軽に活きたこうじの活用法として、こうじ水があります。手作りの米こうじを水につけるだけで簡単に作ることができます。甘酒より手軽に、上記の成分や酵素が補給できるのです。
また、こうじに含まれる美肌成分の一つであるコウジ酸は、化粧水の成分としても注目されています。美容効果だけでなく、健康にも良いとされるこうじの栄養価を活かして、取り入れることで、より豊かな食生活を楽しむことができるでしょう。
糀の魅力を探求する旅はまだまだ終わりません。新たな発見と驚きが待っていることでしょう。皆さんと共に糀の可能性を広げ、より充実した食生活を築いていきたいと思います。どうぞお楽しみに!