東京の都市型ワイナリー、ブックロードの魅力を語る。
御徒町にある都市型ワイナリー、ブックロードでおこなわれたブックロードワイン会に参加しました🍷
…いや、わたしの職場や!(知ってる)
でも、今回のワイン会の発起人はわたしではなく、TwitterXのお友達Mikiさんです。
ブックロードを昔から応援してくださっているMikiさんは、自他ともに認めるブックロード強火勢。そんなMikiさんから「今回はお客さんとして参加して!」とのありがたいお声掛けをいただき、勤務日でもないのに、のこのこと…いや、意気揚々と御徒町にお出かけしたのでした。なんと、定期券内だよ!(ほぼ出勤)
▶ お友達とのブックロードワイン会は去年の5月以来。
というわけで、みんなで楽しくわいわいワインを飲みました!おしまい♡
・・・というのが、この会の主題であり一部始終のすべてなのですが、そんな楽しかった会の全貌はきっと、天才ブロガーによる素敵ブログがあがってくるとして…
▷たぶんこのあたりに、天才ブロガーたちのブログが貼られます。
今回わたしはおひさしぶりに、いち「お客」として自分のワイナリーに行ったんですね。
そのことで、あらためて見えて来た世界があったんです。
ちょうどここ最近、連続的に日本ワインについて考える機会もあったりして、そんなことも含めながら一度記事にまとめてみたいと思いました。
というわけで今回の記事は、ブックロードワイン会のスピンオフ。題して、東京の都市型ワイナリー、ブックロードの魅力を語る。いや、宣伝かな?
念のためですがこれ、べつにPRでもなければ、お給料をもらって書いているわけでもありません。あ、いや、もちろん、いただけるならいただきますけど(※そんな話はない)、これは公式見解とはまったくべつもの。あくまで、ただワインが好きで、日夜ワインを飲み、そして日々のワ活に励む30代女子3000円ワインの民ますたやが、いち個人の意見として綴ったしがない酔っ払い文学でございます。
というわけで、よかったら話半分あそび半分で、暇つぶし程度にご笑覧くださいませ🍷
ワインは美味しく、好みはそれぞれに
まず大前提、「ワインが美味しいこと」は、わたしたちが届けるべき、必須の価値のひとつだと思っています。
もちろん、味の好みはそれぞれですから、好きなひとがいればそうでもないひとがいらっしゃることは承知しています。
それは、どんなワイナリーの、どんなワインでも同じこと。ピノ・ノワールを愛する民はテンプラニーリョを「濃い…」と思うでしょうし、樽の効いたシャルドネを愛する民は、ミュスカデのことを「?」と思うかもしれません。そういうものです。フランスのワインもうまいし、アメリカのワインだって美味い。みんな違って、みんなワイン。
余談ですが、わたしは地元の尾道ラーメン、あの、魚介ベースのスープに豚の背脂が浮きまくったハイカロリーコンボ麺が心の底から大好きなんですが(今はなき尾道の朱華園がわたしのソウルフードです)、「なんか…これ、魚臭い…」といって食べられなかった友達を見たときには、地球規模の衝撃を受けました。えええっ、そ、そんなことってある?!世界一美味しいラーメンなのに?!?
あのときたぶん、わたしはひとつ大人になりました。そうか、味覚ってひとそれぞれなんだ。好みって、全員、違ってるんだ……!それがますたや、小学6年生のこと。世界の広さと自分の小ささを知った瞬間でした。
話がそれました。
そういうわけで、ひとの好みは千差万別、本当に様々です。ブックロードワインが好きなひともいれば、ピンとこない方もいるでしょう。当然です。
ちなみに、ピンと来ないかたの味覚まで無理に変えようとは、(少なくともわたしは)思っていません。ワインの世界は広いのだから、幸福の見出し方もひとそれぞれ。それでいい。それこそがいい。わたしは、なによりもワインの多様性を、心から愛しています。
でも、だからこそというか、うちのワインにできるだけたくさんの人に出会ってもらいたい、とは思っています。たとえば100人のうち10人が美味しいと言ってくれるなら、10000人のうち1000人が美味しいって言ってくれるわけじゃないですか。
うちのワインを「美味しい」と感じてくれるはずのまだ見ぬひとに、うちのワインと出会ってもらいたい。それは、わたしのワイナリーの仕事における指針のひとつでもあります。出会えなければ、好きになることも、いっそ嫌いになることだってできないわけですから…
ワインを取り巻くエンターテインメント
一方で、わたしはこのワイナリーにワイン以外の魅力もおおいに感じています。
それは、味の好みよりも実はもっと汎用性が高い…というか、たくさんの方にお届けできるんじゃないか、と思っている魅力です。
それこそがまさに今回言いたいことのサビ。ワイナリーが東京にあることの価値です。込み入った話ですがちょっと聞いてください。
ブックロードのある場所は、山手線御徒町駅から徒歩6分、台東区三丁目です。下町とはいえ大都会のど真ん中台東区で、わたしたちはワインを造っています。
これがどういう現象を生み出しているかというと、「ワイナリーに行こう」と思ったときに、行けるんですよ。現地に。
ふつう、ワイナリーに行こうと思ったら、山梨に出かけるじゃないですか。週末に。それか、長野とか。もしかしたら、わざわざ北海道まで飛行機を飛ばすなんていう、ワインバカさえもいるかもしれない(あたし)
でも、ブックロードは都内にあるんです。しかも、山手線沿線という抜群のロケーションに。銀座で遅めのランチをとったあと、Googleマップで調べて、思いつきで来ていただくことができるわけです。1時間前に思いついて来れるわけ。その、計り知れない価値たるや。
ワインってね、難しいんですよ。あたしは最近、それを誤魔化さないことにしました。ワインは難しい。まちがいない。なんなんAOCとかまじで意味わからん(暴言)そしてそれこそが、価値のひとつでもあると思っています。
だってオーケストラでコンツェルトを弾くピアニストには、やっぱり燕尾服着ててほしいもの。高貴な雰囲気があることを、舶来品のもつ泊を、必ずしも悪いことにはしたくないんです。
でも。それとおなじくらいの本気度で、シンプルに「ワインは楽しいものだ」と思ってます。これも本当。ワインのこと、なにも知らなくたって飲んでいい。なにひとつ知らなくたって、ただ楽しく飲める酒なんだと。
そのためにはワインの「味」だけじゃない、周りを取り巻く「コンテンツ」の楽しさが重要だと思っています。わたしはここに、わたしたちブックロードが、貢献できるんじゃないかと思ってるんです。
話はそれますが、わたしが好きな企業のひとつにヤッホーブルーイングさんがあります。あの著名なビール、よなよなエールを出しているクラフトビール屋さんです。ちなみに、なかのひとのひとりがあたしの友達なんですが、その友達があたしのおかげでソムリエを取得したこと、あたしは一生自慢します(人間がちいさい)
そのヤッホーさんがこないだPRタイムズのインタビューに答えてたんですが、これがすごくわたしの考えるブックロードの良さに近かったので、ちょっと感動したんですよ。ひとさまの弁を借りてカッコ悪いですが、ここでまるっとパク…引用します。ちょっと長いけど読んで。
な?かっこよ。これ。この、エンターテインメントとしての価値。
これまさに、ここであたしがお客様へのサービスとしてやろうとしてること、そっくりそのままだったんです。
ワインは多種多様。さきにも述べたように、多様性の権化みたいな飲み物です。だからこそ、その入り口は100人100通りあると思ってます。安ワインから入るひと、ナチュラルワインから出会うひと、いきなり古酒に沼るひともいれば、行きつけのワインバーができるひともいます。そこで飲めるわけでもないのに、なぜか近所のワイン屋に通い詰めるひともいたりとか…(※あたし)
ブックロード・ワイナリーは、その、ワイン界への重要な入り口のひとつたり得るんじゃないか、というのがあたしの見解です。
電車でアクセスできる、今、行けるワイナリー。たまたまワインが好きな友達に連れられて行った「そこ」で、本当にワインが造られてる。え、本当に?醸造所にはそこはかとなくブドウの香りが漂い、目の前のタンクのなかには、実際にワインが静かに眠ってる。そして目の前の「この」スタッフが笑って言うんですよ。「いや〜コンテナ洗うの、めっちゃ大変なんだから!」
…そんな場所、日本中、いや世界中探したって、数えるほどしかないんじゃないかと思うんです。だってここ、東京ですよ?世界でもっとも人口密度が高い都市のひとつ、サイバーシティ、眠らない街TOKYO。
ここで、この大都会の小さなワイナリーのなかで、毎日こつこつブドウと向き合い、酵母の生み出すあぶくににこにこし、タンクの中に入ってずぶ濡れになったり、ろ過ができなくて落ち込んだり、うまく発泡が進んで泣いたりしてるひとたちがいる………
そうやって造られたワインを飲んで、造られたその場でワハハ!と笑いあえる。なんなら、造った本人たちさえも交えて。
ねえ、それってなんかこう…すっごい、すごいことじゃないですか?!(雑)
ここがワイン界への入り口だ
なんであたしがこんなに熱量持って語っているのかというと、わたしたちのこの場所は、いずれワイン界全体を支える入り口になるはずだと、わたしは信じているからです。
ここから先はもしかすると、ワイナリーのほかのスタッフとは意見が違っているかもしれません。だから、本当に本当のいち個人的な意見として、読んでもらいたいんだけれど…
わたしは自分ちのワインを、もちろん心から愛しています。そりゃ、目の前であんな一生懸命な醸造家見てたら、好きになるなというほうが難しい。ねえ、みんな知らないだろうけどさぁ(ブックロードマウント)、うちの醸造家、めちゃくちゃ真剣だから。まじで。あと、うちのワイナリーのひとたちって、まじで全員、すげぇすごいから(雑)
でも、おなじくらいあたしは、世界のすべてのワインを愛してるんですね。あたし、本当にワインのことが大好きなんです。もうなんか、泣けるくらいに。
だからこそ、わたしたちのワイナリーを入り口にしてくれたお客さまにも、ワインそのものを好きになってほしいと願ってます。
いろんなワインを飲み、いろんなワインと出会ってほしい。いろんな美味しさを、楽しさを知ってほしい。もしかしてその過程でいつかブックロードは卒業しちゃうかもしれないけど、それでもその道の先に、これを読んでくださってるワイン界隈のみなさんのところまで、たどり着いてほしいと思ってるんです。それがきっと、誰かを、あなた自身を支えることになるから。
そうやって「入り口」にしてくれるのは、たとえば店頭を訪れる100人のうちの、たった1人かもしれません。いや、1000人のうちのひとりかもしれないし、なんならもっと少ないかも。
それでもわたしはここが誰かの「入り口」になる可能性があると思って、そういう自覚と覚悟を持って、今日も店頭に立っています。今日出会ったこのひとの、ワインとの出会いがまさに、今、ここかもしれない。
それってめちゃくちゃ責任があるし、心の底から光栄なことじゃないですか。
それができるのが、ブックロードワイナリーだとわたしは思っています。尋常じゃないホスピタリティと、実直で丁寧なワイン造り。ワインって楽しいものなんだって、しあわせの象徴なんだって、全身全霊で表現しようとしているこのワイナリーだからこそ、できること。
そう、つまりこれこそがブックロードワイナリーが描く企業ミッション、happyの種をまこう♪なんじゃないかな、ってーーー
ねえ、あたし、やっぱ給料もらったほうがよくない?!?!(※そんな話はない)
といった感じの話を、ワイン会の場ではもうちょっと熱量おさえめのダイジェスト版として話したつもりだったんだけど、なんか気づいたらあたし、いつのまにか泣いてました(ますたやすぐ泣く)いやいやおかしいやろ、あたしなんかただコンテナ洗ってるだけの分際やで………!
というわけで、そんな熱い思いを胸のうちに抱えながら、日々店頭にたつワイナリー(もうすぐ)2年生マイコ(あたしです)今回はたーっぷりワイン会を楽しみました♡まさかの上司たちに給仕をさせるという暴挙ですよ(しかも二度目)
ああ、でも、本当に、美味しくて幸せな夜だった…!ご一緒してくださったみなさん、ありがとうございました!美味し楽しかったね♡
引き続き、わりと会えるタイプの醸造家須合と、みずきシェフの美味しい料理に会いにぜひ当ワイナリーにお越しくださいませ。
わたしも、カワイイ後輩ちゃんたち4人とともに、店頭で心を込めてみなさまをお出迎えいたします🙇
……………いや、やっぱり宣伝!!!!
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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワイン好きが高じて、2023年3月から都内のワイナリーで働きはじめました。
2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得/2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得し、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中。
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