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気のはなしを学ぶ~今も昔も人生はタフ

少し前に書いた香港の旅行記の中のnoteの一つについて、ここのところご感想などをInstagramのDMなどから頂戴するようになりました。「心が軽くなった」「救われた」などと書いてくださっていると大変恐縮してしまいますが、あの記事に関しては自分のことを赤裸々に書き過ぎているかな?と思っていた記事だったので書いて良かったなと思えるようになりました。読んでくださってありがとうございます。

現在、僕は41歳で来月42歳になるのですが、THE MIDFLOWという自身のショップを開業してからやっと人生の本番が始まったような気がしていて、そういう意味において今は大切な「基礎体力作り」の時期だと考えています。僕のお店をオープンして2年と1ヶ月。最初の3年間はじっくりしっかり基礎固めと思って、派手なことはできませんが、地道に日々の自分ができうるすべてのことをクオリティ高く積み上げていくということを心がけてやっています。周囲を見るとあっという間に結果を出している人たちもいて、そういう人たちを見ると正直言って焦りの気持ちも出てしまいますが、比較すべきは他人ではなく「昨日の自分」であると自身に言い聞かせています。昨日よりも1mmでも成長できるように、という心がけが大事なのだと。

最近「気」に関する本を読みました。

僕は、いかんせん、スピリチュアルな事柄は苦手です。「引き寄せ」とか言われちゃうと全身に鳥肌が立っちゃうくらいです。その一方で、そういう意味でのスピリチュアルではなく、いわゆる精神性というものには時折興味を惹かれます。例えば、お寺や神社に行くと背筋がピンっと伸びて身体全体がすっきりする気がするということや、父が旅立ってからというものお盆やお彼岸には実家の岡山に帰り墓前で父に話しかけたりしているのですが、父が何か返答をしてくれているわけではないけれど、帰り道には心がすこしおだやかになった気持ちになる自分がいるという精神性には、とても興味がありました。

「"気"がする」「"気"持ち」などと自然に口にする「気」という言葉。
僕たちの日本語には「気」という文字が数多く使われていることも、ときおり不思議に思っていました。「雰囲"気"」とかですね。

そういえば、僕の自律神経失調症の治療をしてくれた内科医の先生も「薬をちゃんと飲むことも大事だけれど、自分の気のめぐりを良くすることも大切だよ」と気功の所作も教えてくれたりしました。実際に、そういう所作を続けていると、当時ほんとうに体調が良くなったし、不眠症気味だった僕の眠りが深くなったり、"気"のせいではない効果を実際に感じていました。

「天"気"」「"気"圧」にも左右されやすい僕は、「気」について体系的に学んでみたいなぁと思っていました。そんなときに出会ったのが、こちらの本。


前述のようにスピリチュアルな事柄が苦手な僕は、こういう系の本のほとんどには苦手意識があるのですが、健康図書に棚に並んでいたこちら本はとても手に取りやすいものでした。

中国の思想家、哲学者の歴史を紐解く中での「気」の話は難しいですが、じっくり読むと理解がしやすく、鍼灸の治療家である著者の方の経験に基づく話も「ふむふむ」と納得のいく形で読み進めていくことができました。中でも著者の方の書かれていた「エビデンスや論理」だけでは生きていけないからこそ、宗教とか占いというものが世の中から消えないというのも事実なんだ、というふうに触れられていた一節にはとても琴線が震えました。

たしかにカルト的なスピリチュアルには、その危険性の観点から注意をしなければなりませんが、だからと言ってすべての精神性のことがらを一括りにスピリチュアルと断じてしまうのも違うんだな、と感じました。

生きていくことって「タフ」ですよね。人生にはいろんな事が起きます。

2年前に父が亡くなった時に、葬儀を執り行う中で父の死を受け入れていくことができている自分に気がつきました。死を告げられたとき直後は、さまざまな手続きに追われその事実はなかなか僕の中には入ってこなかったんです。パニック状態にあったのだと思います。ただ、葬儀を執り行う中、お経を聴いたりいくつもの儀を重ねていく上で、父は旅立つ準備をし、僕たちはそれを受け入れる準備をするのだと感じました。

生きるってことは、たぶん昔から「しんどいものだった」んだと思います。だから、古代からさまざまなことが試行錯誤され、それが現代に引き継がれてきているんだろうな、と想像すると、昔の人が言ってることって迷信とバカにはできないし、それどころかとてもありがたいものなんだな、と感じます。

この本を通して「気」とは何か?ということを学びながら、生きるってことを少し見つめる時間にできることができました。「怪しいから興味ない!」と怪しいものと一緒くたに距離を置いてしまうのも、もったいないことをしているのだろうな、と。取捨選択をするためにも、もっともっと偏見なくいろんな本を読みたいなぁと思わせてもらえる一冊でした。

世の中、好きなものを追求しよう!というのはよく言われることですが、苦手なもの、嫌いなものの中にこそ、宝物となるべきものが埋まっているのかもしれないな、なんて思ったりもします。

次の本を読むのが楽しみです。


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