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鱒子 哉
2020年1月23日 12:39
用事は十時過ぎに終わった。十三時起床が常のぼくからすれば眠っているはずの時間、だからゆっくりしよう、と帰りがけに見かけた喫茶店に入る。 朝早く起きると、いつもその「朝早く起きなければいけない」というプレッシャーにやられて寝不足になる。居ないはずの時間と相まって、どうもフワフワする感覚が抜けなかった。 320円のブレンドコーヒーをSuicaで支払い、対向からくる人を待ってから喫煙席に座る。一応
2020年1月1日 03:36
人の気配がない終末的にも感じる夜でひとを待ちながら、ぼくは年の瀬についに突入し、その境界を越えようとしていた。 年の瀬、という言葉をクリスマスを過ぎた辺りから幾度となく想起した。川の流れの真ん中、状態的には折り返しとも見ることができる。その川とはつまり時間だとすると、ぼくらは常に流れに半ば逆らいながら、対岸を目指し渡っていることになる。生きるとは、つまり、渡り続けること、? 遮蔽物なしに