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第一章 ロジックだけで語るなデザインで魅せろ。

「デザインは問題解決」という誤解

最近、「デザインは問題解決の手段や」と言われることが多い。確かに、デザインには課題を解決する役割がある。ユーザーの使いやすさを向上させたり、情報を整理してわかりやすく伝えたりすることは、とても大事なことや。でもな、ここで一つ誤解されがちなポイントがある。

「デザイン=問題解決」と考えたとき、その理論だけでデザインが成立するわけやない。もし「問題解決」だけが目的なら、エクセルの表やテキストだけでも十分なはずや。でも、それでほんまに人の心は動くんか?

デザインの本質は、「機能性」や「正しさ」だけやなく、直感的に心を動かす力にある。つまり、「使える」だけやなく「使いたくなる」デザインが求められる。

例えば、世の中には機能的に優れたプロダクトがたくさんあるけど、デザインが洗練されてへんから売れへんものもある。一方で、機能がそこそこでもデザインが優れてるからこそ人気になるものもある。これは、デザインが「問題解決」を超えて、感情に訴えかける価値を持ってるからや。

ロジックだけを重視するデザインは、「整理されてるけど、なんか魅力を感じへん」「理論的には正しいけど、なんかおもんない」となりがちや。特に、プロダクトのUI/UXやブランドデザインでは、「理論的には正しいけど、魅力がない」となってしまうと、致命的な結果を招くことになる。

「デザインは問題解決や」という考えに囚われすぎると、デザインの本来の魅力が失われてしまう。ロジックはデザインの一部ではあるけど、それがすべてやない。デザインがほんまに人に響くためには、ロジックだけやなく、感覚やセンスも不可欠なんや。

「ロジックが正しくてもダサい」理由

デザインの良し悪しは、ロジックだけでは決まらへん。なんでか言うたら、デザインはユーザーの直感的な判断に大きく依存するからや。

心理学者ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』によると、人間の思考には「システム1(直感)」と「システム2(論理)」がある。デザインの多くは「システム1(直感)」によって判断される。

つまり、ユーザーはデザインを細かく分析するんやなく、「なんかええ感じ」「なんか好き」と瞬時に判断する。この直感的な感覚を引き出せないデザインは、どれだけロジカルでも意味がない。

例えば、ロジックだけでデザインを組み立てると、「この性質にはこう」「余白のバランスが計算されている」「視認性が高い」といった条件は満たせる。でも、それが「おしゃれ」「魅力的」とは限らへん。

「正しく整理されてるけど、なんかワクワクせえへん」デザイン、見たことあるやろ? それこそが、ロジックに頼りすぎたデザインの典型例や。

お前俺よりオシャレちゃうやん。

デザインに口出してくるロジカル派の人、正直言うて、おしゃれのセンスある?

「この配置が論理的に正しい」「このフォントは可読性が高い」とか言うてるけど、それがオシャレやとは限らへんやろ? デザインって、単に理論だけで成立するもんやなくて、「見た瞬間にかっこええ!」って思わせる力が必要なんや。

ほんまに良いデザインを作れる人は、ロジックだけやなく、センスを持ってる。トレンドを理解して、適切なスタイルを取り入れられる人こそ、ほんまに価値のあるデザインができる。

そもそも、おしゃれって「メタ認知」や。「今、この時代の、今の流れの中で、何がカッコよくて、何がダサいのか」を見極められる力やねん。デザインも一緒や。単に「正しいことをやる」のがデザインやない。「どう見られるか」「どう響くか」を考えて、デザインせなあかん。

デザインにおいて、「俺よりオシャレじゃないのに、なに偉そうに言うてんねん?」って思う瞬間、正直ある。 それぐらい、センスって大事なもんやねん。

「デザインは感情を動かすもの」という話

ほんなら、「ロジックが正しいけどダサい」という状態をどうすれば抜け出せるんか?

答えはシンプルや。デザインは感情を動かすものであるという前提を持つことや。

例えば、Appleのプロダクトデザインがなぜ魅力的なのかを考えてみよう。

  • 「シンプルで使いやすい」→ これはロジックの側面

  • 「洗練されていて、持っていたくなる」→ これが感情を動かす要素

人は「機能が優れてるから買う」のやなく、「なんか欲しくなるから買う」んや。この「なんか欲しくなる」感情を生み出すのが、デザインにおけるセンスやトレンドの役割なんや。

ロジックは大切やけど、それだけでは人の心を動かすことはできへん。 せやから、デザインを語るときに「ロジックだけで説明できることがすべて」と考えるのは、大きな間違いや。

次回は「センスとは何か?」について、さらに深掘りしていく


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