【初めての妊娠】婦人科初診記録(5w〜)
2024年12月16日(月)。朝起きると、先に家を出た彼からLINEで「ここで良い?」と近所の婦人科のURLが送られてきていた。どうやら私の代わりに予約を取ってくれるつもりらしい。
今朝はまた胃もたれのような気持ち悪さを感じ、なかなか起き上がる気力になれなかった。そんな私を見て彼が「何か必要なものある?」と聞いてくれ、パッと思いついた、この状況でも食べられそうな「牧場の朝………」と答えた。
ベッドから起き上がり冷蔵庫を開けると、3個入りの牧場の朝が3パック入っていた。いちご味が1パックとプレーンが2パック。早速いちご味を手に取り、口に入れると、なめらかなヨーグルトの食感と冷たさ、いちご風味の程よい甘さが心地よく喉を通っていく。ふと窓に目を向けると、外はどんより曇っていた。
私は平日在宅ワークをしている。基本的に9時〜18時で働いているが、会議などがない限り時間の融通はきく。そのため早速近所の婦人科に、診察の予約を入れることにした。彼から申し出があったけど、診察を受ける自分が予約した方がいいだろう。そう考え、家から徒歩10分圏内にある婦人科に電話をかけた。
電話先で、初めての診察で予約したい旨を伝えると「いつのご予約がよろしいでしょうか」と聞かれた。「今日とかって…いけますか……」と敬語とタメ語が入り混じったような、電話慣れしていない新入社員が使うような言葉遣いで返してしまう。すると「本日でしたら、院長先生でよろしければ16時半までにご来院して下されば診察可能です〜」と流暢な返事が返ってきた。
この婦人科は夫婦で経営しているらしく、院長が夫、副院長が妻である。婦人科ということもあり、おそらく人気なのは副院長だ。そのため副院長に診察してもらいたい場合は、事前に電話やネットで予約が必要、ということまで私は事前に把握していた。
本心では、異性の院長より同性の副院長に診察してもらいたかったが、今日中に病院で妊娠を確認したかった私は、予定通り今日病院に行くことにした。彼に今日診察できそうなことを伝えると、今度は「俺も行く!」と言ってくれた。しかし、ネットでパートナーの付き添いについて検索してみると、妊娠初期の付き添いはあまり意味がないといったような意見を見かけ、また今度にしようと断った。
15時頃、婦人科に赴き、初診のため問診票を記入する。問診票には「どちらの先生の診察を希望しますか?」といった欄があったので、一応「副院長」に丸をつけ、提出をする際に今日は院長による診察で問題ないことを伝えた。
受付後、15分ほど待つと私の名前が呼ばれた。私は今日、あの"婦人科の椅子"に座り、膣内に何なのかは分からない器具を入れて、子宮内に妊娠しているか確認するのだろうとなんとなく予想していた。
しかし実際には、まずは個室で、看護師の方から問診票に記載した内容についての聴取がおこなわれた。生理周期や現在の体調、親族の病気のこと、パートナーのことなど細かく聞かれた。体重や血圧も測定し、終わると部屋を出て、またロビーで待つことに。
置いてある雑誌などをパラパラと読みながら時間を潰していると、10分後くらいに再び私の名前が呼ばれた。
今度は別の診察室だ。入るとそこには女性の医師が座っており、すぐに(副院長先生だ!)と私は気がついた。問診票に書いたからだろう。平日のこの時間にもロビーには10名ほどの患者がいて、予約の診察が多いはずのに、私の希望を尊重してくれる病院側にこの時点で好感を持てた。
副院長先生からは、先ほど聴取した内容についての改めての確認があり、生理周期が不順なことを伝えると、「(早すぎて)今日妊娠を確認できないかもしれない」と伝えられた。そして尿検査と、前回の子宮頚がん検査から1年以上経っているため、内診と一緒に子宮頚がん検査もすることが決まった。言われるがままに今度はトイレへ。カップに尿をたして小窓の中に置き、トイレを出たらいよいよ内診室に入る。
内診室に入ると、カーテン越しの看護師から靴を脱ぐように指示があり、靴を脱いで部屋に上がった。それから履いていたタイツや下着を脱ぎ、ワンピースの裾をお尻の上まで持ち上げて内診台に座る。
「準備できましたか?」の問いにドキドキしながら「はい」と答えると、「では椅子動きますねー」の声がけと一緒に徐々に椅子の高さが上がり、(そんなに傾いて大丈夫?!)ってところのギリギリまで傾き、椅子によって足が大きく開かれた。
私が予想していた通り、内診では膣内になにか器具を入れられ、私はただモニターを見ていた。すると「あ、胎嚢ありますね!妊娠してますよ〜」と先生が言った。確かにモニターには子宮内に、黒い袋のような丸いものが観察できる。その後先生は左右の卵巣をチェックし、子宮頚がん検査を実施してくれた。
内診自体は5分程度で完了し、身支度を整えた私はまた診察室へ。そこには先ほど内診してくれた副院長先生が座っており、部屋に入るや否や「妊娠おめでとうございます!」と迎えてくれた。
これが人生で初めて、他者から妊娠を祝われた経験である。私の中に命が宿っていることが信じられないような、でも確かに存在することが手元にあるエコー写真で確認できて、なんともむず痒いような感情になり、少し照れながら「ありがとうございます」と答えた。
そこからは、直近の生理開始日などから計算して、いまが妊娠5週目であることが伝えられた。このまま順調に進めば、予定日は2025年8月10日。真夏の暑い時期に、我が子が誕生するかもしれない。次の検診では赤ちゃんの心拍を確認することになり、約2週間後にまた伺うことになった。
最後に先生から「なにか不安に思っていることや質問はありますか?」と聞かれ、年末に帰省を控えていた私は、今の時期に飛行機に乗ることは大丈夫かを聞いてみた。先生の見解によると、妊娠初期に飛行機に乗ること自体は問題ないとのこと。しかし悪阻の関係で、機内で体調が悪くなる可能性があるので、それは体調次第で判断してとのことだった。
その他、お試し用の葉酸サプリやデリケートゾーン用の塗り薬、そしてここ数日は少量の出血があったため、出血が多いときに飲む用の薬を処方してもらい、この日の診察は終了した。費用は約3,900円。彼とは食費や日用品を支払うための共通のデビットカードを持っているので、それで支払った。時間は病院に来てから、約1時間経っていた。
病院から出て、早速彼にLINEで報告した。
彼からは、早速夏にちなんだ名前の候補が送られてきた。気が早いなあと思いつつも、私の他にもこうして我が子の誕生を心待ちにしてくれる人がいると思うと心強い。彼が家に帰ってきたら、今日もらったエコー写真をすぐに見せようと思った。