見出し画像

「勉強しなさい」を口癖にしないために「ゼロイチ」思考をやめること/子育て学習相談

親御さんの勉強に関する悩み。

僕は書籍だけでなく教育連載も書いていますし、リアルで何千人かの子たちを広いエリアで見て来たので、こうしたご相談を親御さんから日々お受けして来ました。

で、多くの親御さんの典型的なそれの一つが、「勉強しなさい」と口うるさく言ってしまうというものです。
(勉強はするけれども、親の思っているようには勉強しない、というものを含みます)

そして、大抵それは、怒りの感情と共に、というのが定番です。


深い話になると、これは小手先でどうこうすべき問いではありません。

少し長いスパンでの思考や取り組みになるので、ここではあえて、ひとまず親御さんとしてどうすべきか、短期的に取り組みが可能なことを話しておきましょう。

まず、「ガミガミいうのが自分でも嫌になる」という方。
そして、「言ったら言っただけどんどん勉強しなくなりますよ」という(僕の)アドバイスに、自覚が出てきた方。

そうした方が一番やってしまうのが、

「もう何もしない、何も言わない」、放置放任です。


これ、実は大して、ポジティブではありません。


考えてみていただくとわかります。

なぜか僕の目の前では、誰もが勉強をするようになるのですが、「僕が何もしてない」わけではありません。放置しているわけでも、放任しているわけでもありません。

ところが、多くの親御さんは、それをやってしまうわけですね。


もちろん、「ガミガミ言い続ける」は最低の手ですから、マイナスが加算されていきます。何も言わない、は、これがないだけでも確かに良いことになります。

言うくらいなら、黙っておきましょうと言うことです。


しかし、そうは言っても、勉強というのは、子どもたちにとっては、結構、過酷な作業です。

親御さんによるマイナスダメージがなくても、継続して、取り組んでいこうとなると、やはり何かしらのサポートは欲しいのです。

何せ、点数や成績が出ると、誰かに言われなくとも、「ああ、うまく行かなかった」とか「がんばったのに、ダメだ」「私ってできない人」と、落ち込んでしまうでしょう。

また、成績だけではなく、テストや受験系の勉学は、暗記や問題演習など、一つの作業としては負荷が高く、ストレスを生じるようなことが多く含まれます。

ということは、です。


やはり、それを支援する行動、援助する行動を、親としてはとるべきなのです。


残念ながら、現代の学校の先生がこれを担うのは酷です。
むしろ内申点を武器に、子どもにプレッシャーを強める人もいますから、子どもたちは四面楚歌状態になる。


だから、親、なんですね。

あなたに求められているのは、支援行動、援助行動なのです。


これを聞くと、間違えてしまう人がいるので、先に言っておきます。
直接、勉強を教えろとか、宿題や課題を与えて管理しろとか、それらは必要ありません。もともとそれで子どもたちにプレッシャーばかりを与えているあなたが、それらをやってしまっては、元の木阿弥です。

必要なのは、直接的な関与ではなく、あくまでも、支援、援助行動です。



さて、ここまで書くと、ちょっと書きたいことが増えてしまうので、
ここでは、まず最初に必要な心構えを書いておきます。

それは、0、1(ゼロイチ)の思考をやめること、です。

物事を、0か1、1か100、オンかオフか、の究極の2択だけで考えてしまう人が増えています。
現代人の特徴かもしれません。
(長くなるのでその要因や背景は割愛)


0か1かの「ゼロイチ」思考を、やめましょう。


なぜかって?
物事には、その間が存在しているからです。

あなたの言動も同じです。
「勉強しろ」と言うか、「何も言わないか」。
物事は2択だけではないはずです。


だから、まず最初のあなたの心構えとして、0と1の間があることを知っておくのです。


え、どうすればいいんだろう?悩んじゃう?迷っちゃう?
なんだか、苦しい?

そう、なんでもゼロイチにするのは、とても簡単なんですね。
あまり考えなくてもよい。

0と1の間があると知ったとき、そうか、じゃあ考えてみよう、それが大事なのです。
そうすると、あなたに思考すると時間や習慣が生まれるのです。
これがわかってくると、いかに自分が、考えることがしんどいために、手を抜いていたかがわかります。


もちろん、子どもたちの勉学の導きにおいて親御さんが、ゼロイチ、になってしまうのには、理由があります。

それは、”「勉強しろ」と口うるさく言う”以外の、技術を持っていないからです。ここでの技術は、知識のことでもあります。勉強しろと強制する、以外の技術や知識がない。


じゃあどうする、何をすればいい?については改めて記事や動画にします。


ここでは、まず、物事はゼロイチではないのだ、と言うことを知ってください。


人によってはこれだけでも、じゃあこうしてみようか、これはどうだろう、と、思考が動き始めます。

口うるさく、命令、強制、でもなく、放置放任でもない、その間がある。


少しだけ具体的なことを書いておきます。

ここでは、ゼロイチを、0から10の11段階、で捉えてみましょう。
放任が0、強制命令が10。

あなたが0と10の手段をやめると、1から9まで、まだ手があることがわかります。

あなたに、とっての、1、2、3、・・・それらはどんなものがあるでしょうか?

考えてみてください。

できるだけ自分で考える習慣を身につけましょう。


超具体的なこと、行動や言葉は、抽象度が下がってしまいます。
特に、今置かれている環境や状況は人それぞれですから、超具体的なことを他人に頼っても、あなたの環境や状況には合わないことが多々あります。それが抽象度の低いものの宿命だからです。


だから、まずはできるだけ、自分の頭で考えてみる。


子の勉強において、あなたができるのは、あなた自身の「言葉がけ」や「行動」です。

どんな言葉が、レベル1(放任寄り)で、どんな行動がレベル9(強制寄り)ですか。

それらを考えてみましょう。



勘の鋭い方はお分かりでしょう。

あなたがこれらについて考えるだけで、ゼロイチ、超放任と超強制、を止めることができるのです。

まずは、あなたがゼロイチ思考であることから変えていきましょう。



追伸
この0から10の段階のお話。
僕はもはや仙人みたいな感じなので、0.01刻みとかで調整をしています。
子どもたちにどの手(言葉や行動)を繰り出すか。非常にセンシティブなのです。

翻って、学校でも民間でも、怒鳴って強制するとか、命令だけする、という先生が多いのも現実です。この話を聞けばわかりますよね。0−10なのに、10しか技がない。
素人と同じ、と言うわけです。素人の先生には気をつけましょう。


(おわり)






いいなと思ったら応援しよう!

本田篤嗣(Master Honda)
記事を気に入っていただけると幸いです。NPOまなびデザンラボの活動の支援に活用させていただきます。不登校および発達障害支援、学習支援など、教育を通じたまちづくりを行っています。