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SaaS運用で注意すべき点について

SaaS市場の成長

 近年盛り上がりを見せるSaaS市場。Gartnerのレポート(2020年11月)によると、SaaS市場は約11.5兆円で年間成長率は10%を超えるようになってきています。これまではスクラッチ開発中心だった企業でも、新たなシステムの導入を検討する際に一度はSaaSを調べるという時代になっているのではないでしょうか。
 今回の記事ではSaaS運用時に発生する問題とそれを解決するための解決策を紹介したいと思います。

図1

参照: Gartner (November 2020)

①アカウントと利用料の管理

 SaaSはスクラッチ開発と比べると導入コスト(時間・金銭)が低いことから、部門主体でも導入できてしまうことがあります。SaaSならではのメリットですが、導入するSaaSが増えるごとに管理が複雑になってくるというデメリットもあります。例えば、退職者や利用率の低いアカウントは削除しないと、料金を払いすぎていたということになりかねません。また、パスワードの漏洩やシステム管理者が把握せずに導入されたシステム(シャドーIT)のリスクもあります。
※(個人的な意見ですが、解約し忘れててお金を払いすぎたサブスクに近いと思います。)
そういったケースに備えてSaaSの導入が進んでいる企業のシステム管理者はアカウントの一元管理や利用料の可視化ができるようなSaaS管理アプリを導入する必要があるでしょう。新領域として国内外で新しいサービスが生まれている領域なので是非注目してみてください。

②SaaS同士の連携

 SaaSは部分最適に特化したシステムなので、導入数が増えた際にはAPIでSaaS同士を連携させる必要が出てきます。例えば、Googleスプレッドシートとタスク管理ツールTrelloを連携させることでスプレッドシードで作成したデータがそのままタスクに落ちてきたり、Gmailで受け取ったデータをDropboxに自動アップロードしたりといったことが可能です。こういった連携を社員自ら設定できるようになることがDX化のカギになると考えています。
 実際、アプリごとに連携方法を理解することが社員にとって負担という場合はZapierHubSpotなどのツールを使って連携させます。
※システム連携という目線だとRPAが使われる場合もありますが、画面操作を行うRPAに対して、バックエンドにて自動で行われるAPI連携は対極に位置する方法と言えます。
 非エンジニアからすると、プログラミングをせずにノーコードでAPI連携ができた時はかなり感動するので、まだやったことないという人はぜひお試しください!

③SaaS間で流通するデータ

 API連携によってシステム間同士のデータの流通量は膨大になることが予想されます。データはシステムの血液ともいえるべき存在で、流通量の増加はDX推進の一つの目安です。一方、データの活用が進むとノイズや欠損値、活用しづらい形式といった”システムにとって綺麗ではない”データの修正が必要になるといった課題も出て来ることが予想されます。そういったデータが発生する原因として、他企業からの連携データや外部から収集したデータが自社のシステムにとっては必ずしも適切なものではないということが挙げられます。
 上記のような場合、各システムや部門ごとにデータの最適化をするような作業が行われる可能性があり、業務効率化という観点でもシステム管理者が外部データの入力を管理できるようにする必要があります。ETLツール※などでは分析用にデータの正規化最適化をすることができますが、あくまで最低限の機械的な処理を行うのみで、データの持つ意味に合わせてクリーニングすることはまだまだ難しいという印象です。(日本語の難しさという側面はあると思います)
少し宣伝をさせていただくとMassteryはデータの大元であるDBへの入力やDBに保管されているデータにアプローチをして、”綺麗な”データが流れる未来を目指しています。

※ETLとはExtract(抽出)、Transform(変換)、Load(格納)の略で様々なシステムからDWH(分析用のDB)を構築する際に使われます。

綺麗なデータが持つ価値については下記の記事もご覧ください。

最後に

 SaaSはDXのキーワードとしてプラスの側面にスポットが当たりがちですが、SaaSならではの課題やその解決策も導入時には検討する必要があります。特に、導入する部署や業務単位だけでSaaSを見るのではでなく、全社システムの一部として管理する事がシステム管理者には求められます。SaaSの今後について未来予想図を記載してみました。
もし少しでも参考になれば幸いです。

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