【詩】柔軟体操
とにかく子どもの頃から
体が硬い方でしたね。
だから柔軟体操は大の苦手でして
ゆえに真面目にやらずにきたのです。
それが災いして大人の後半にいる今は
その何十倍も硬くなっているのです。
ぼくには負けず嫌いな一面があるのか
かつて体の柔らかい人を見た時に
『あんな奴に負けるもんか』などと思い
柔軟体操に挑戦したことがありました。
だけど生来の硬さから音を上げてしまい
なかなか長続きしなかったのです。
その後もそんなことがあったのですが
年を取るごとに体の硬さだけでなく
体の節々の痛みも加わってしまい
気持ちだけは『負けるものか』なんだけど
体がついてこないという状態で、ここ数年は
まったく柔軟体操をやってなかったのです。
『このままじゃいかん』
と思い始めたのはつい最近でありまして
「体の硬いまま放っておくと
ひとりでパンツがはけなくなるよ」
と、ある人から忠告されたのです。
それを聞いてぼくは慌てましてね。
ひとりでパンツがはけないとなると
当然他人様の助けなんかが
必要になってくるわけでしょう?
嫌じゃないですか、他人様に頭を下げ
「すいませんね、すいませんね」
などと言ってパンツをはかせてもらうなんて。
さらに年相応の活きのなくなった一物を
そういうお方にお見せしなきゃならない。
そういうサマにならない生活を
ぼくは望んでいないのですよ。
だから今は毎朝毎晩、無理を押して
痛々ながら柔軟体操をしているのです。