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怪しきマイナンバーカード

そうは言ってもやはりマイナンバーカードの取得については懐疑的である。ただし、これは私個人の見解であり、所属する組織の立場、意見を表すものではない。

と、こんな偉そうな大学教授のような断りを入れた上で論じたい。マイナンバーカードは本当に取得する意味・必要のあるモノなのか。もちろん、その利便性や安全性を信じているのなら問題は無いと思う。ただ、少しでも疑問はあるのにカードを作る人はどうかと思う。

以前、書いたマイナポイントに関する記事もぜひ参照いただきたい。


先日、1週間ほど仕事の都合でマイナンバーカードに関する業務に就いた。私の役目はマイナンバーカードを申請した人にマイナンバーカードをお渡しするというものだった。数多くの人にカードをお渡ししながら、皆はどう思ってカードを受け取っているのかとても気になった。

時々、「ポイントはどう申請するか」と聞いてくる人もいたし、健康保険証との関係を気にされている人も多かった。それでも、多くの人は「ポイントを貰わないと損だから」「皆が申請しているから」「健康保険証は廃止されるから」という理由で作っているようにみえた。こちらが出来上がったカードの情報の確認をお願いしても、「おっけおっけ」とロクに確認もせず、返事をする人もいた。カードには番号だけでなく、顔写真や名前、住所、生年月日も入っているのに、それで大丈夫なのか。

私はカードや制度に関する質問があれば、自分の信条とは関係なく、中立的な態度で回答を行った。そりゃ仕事なのでカードの必要性について個人の見解を論じるわけにはいかない。第一、皆カードを作り終えたばかりの人たちだ。何を言っても


それでも、カードを交付する現場で感じたのは「なんとなくな態度」「しょうがなくカードを作っている態度」である。心の底から納得してカードを作っている人は少ないように感じた。皆、ポイントがもらえないと損をする、と駆け込みで申請をしているわけであるが、よく考えて欲しい。国の制度に申し込んで、マイナポイントなるご褒美がもらえるのはオカシク無いだろうか。納税をしても、法律を守っても、それは当たり前だとみなされて何のご褒美ももらえないはずだ。

しかし、マイナンバーカードは、キャッシュレス化の促進という大義に隠れてはいるが、事実上ご褒美の授与である。それも、これをしたら何ポイント、これもしたらさらに追加で何ポイントという形で人を釣っているし、何よりすぐに申請機限の延長を行う。ご褒美が用意されているなんてオカシイし、そのご褒美に食いついて、何も考えずに申請を行う人も愚かだと思う。国の制度だからと言って、信用できるような世界ではない。事実、これだけの物価高であっても、恩恵を感じられるような制度や施作は何も無いだろう。

このマイナンバーカードに関しては、「怪しい」というのが率直な感想である。マイナンバー制度が始まって何年も経つのにイマイチ利便性が向上していないし、通知カードを送って来たと思えば、それも廃止にもなった。マイナンバーカードの申請は任意だったはずなのに、ポイントで釣ったり、健康保険証や免許証、給食の無償化などの囲い込みで事実上の強制取得をさせようとしている。そこまでやるなら、強制にすればいいのではないか。国民皆マイナンバーカード制にすれば良いのではないか。それでもしないのか、そうできないのかわからない。仕組みの立ち位置がよくわからないので、危険なニオイしかしない。だから、申請もしたくないと思っている。

こういうことを言うと、マイナンバー制度の利点について語ってくれる人や、私の制度に対する無知を指摘するような人が現れることもあるだろう。もちろん無知な部分もあるし、データで語れるわけでもない。だが、これは現時点での率直な私の感想なのである。もちろん利便性もあるし、これからももっと便利になっていくのかもしれない。それでも、申請には踏み切れない不安がある制度だと思う。ポイントだとかではなくて、納得できる制度になれば申請してみたい。

また、何となく申請する人は気をつけたほうが良い。国の陰謀論ではないが、真面目さや従順さが常に必ずしも良いというわけではない。ポイントが欲しいからと言って飛びつくのではなくて、どんなメリットがあってどんなデメリットがあって、ということをしっかり調べて納得してから、何事でも始める方が良いと思われる。情報が溢れすぎていると言うのは事実であるが、そこで惰性になってはいけない。


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