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怪談における「狐」とは?

夜、1人でクルマを運転する時はたいてい怪談の朗読を聞く。朝に聞いても何ともないが、夜に暗い車内で怪談を聞くといっそう恐さが増す。恐いものが好きというよりも、怪談出てくる幽霊、呪術、場所などの不思議さに惹かれる。最近は狐にまつわる怪談が気になっているので紹介したい。

夜に、ある峠を車で走っていると屋台がある。寄ってみると屋台の人は皆が狐のお面を被っていて、呼び込みも何も言葉を発しない。食べ物を買って食べみるが、それはまったく味が無かったそう。また、次の日に同じ場所を通ると、屋台があった形跡も何も無かったという話である。

山の斜面の石段に沿って見える提灯の光。だが、近づいてみるとそれは提灯を持った白装束の人の列であった。さらに近づいてその姿を確認すると、その隊列は異様な歩き方をする狐であったという。
それらは人だったのか、それとも狐が人を化かしたのだろうか。確かめようは無いものの、その不思議さに惹かれずにはいられない。


以前から、個人的に「鬼」について興味があったが、最近急上昇で気になっているのが「狐」という存在である。世の中には様々な「恐さ」があるが、狐のお面やその存在は日本的な恐さであると言えよう。

昔から、狐や狸は「人を化かす」と言われてきた。人を騙したり、何かに化けたりする。それは「狐につままれた」などの言いまわしからも窺える。

そもそもなぜ狐と狸は化かすのだろうか。動物であれば犬でも猫でも烏でも馬でも多くの種がいるのに、なぜ狐と狸は化かすのだろうかということが最近気になってきた。

おそらくの話をすると、狐も狸も他の動物とは違って、山の中に住む動物なので、人が山の中で何かを見間違えたりした時に、それを化かされたと捉えているというのが有力だろうとは思う。昔の人はお化けなど、そう言った外的な何かを生み出すことで体験や出来事に理由を見出したのである。

化かすと言えば、狐はとても悪い存在であるように感じられる。だが、他を見渡せば「稲荷神社」「伏見稲荷」のように神様として祀られる場面もある。神として神格化されるというのは、人を化かす存在とは対極の姿だ。そう考えると、そもそも狐は正義なのか悪なのかよくわからない。

人を騙すのか、はたまた人に夢を見せるのか。狐という存在について少し調べてみたいと思う。

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