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脳内の電位を測ってわかったこと

ミンデルの量子力学的研究は、心理学に比喩的に応用する範囲であったようです。これに対して、ペンローズの量子力学的研究は、神経細胞内の微小管内で量子力学的演算が行われることによって意識が形成されるというもので、物理学的な仮説として捉えられているようです。

いずれの場合にしても、意識や心理現象についての量子論的な説明は、自然科学として認められたものには至っていないと捉えていいでしょう。

量子論を用いなくとも、自由意思について興味深い実験をした脳科学者にベンジャミン・リベットがいます。彼は脳の電位を測定することによって、人間が意識的行動を起こす数秒前に、脳内で神経活動が活発化することを見出しました。意識的行動の前に無意識的な神経活動が起こっている、人間は意思に基づいて行動するのではない、ということです。

人間の行動は、意識領域で決まるのではない。無意識領域で決まり、それが意識領域に上がってきて、行動が起こるのですね。意識にできることは、無意識からがってきた行動欲求を制止することだけです。

自分との対話とは、意識領域内での対話ではなく、無意識領域にある欲求との対話ということになるでしょうか。ユングやミンデルが夢や変性意識を対象としたことの脳科学的根拠がここにあると言えそうです。すべては、無意識から湧き上がってくるのですね。

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