初心~水平線の景色~
あの頃は良かった。
今では考えられないような「勢い」があった。
今とは違う「フレッシュ」な状況だったから、今ではあり得ない「勢い」があった。
それが、どうしたことだろう。
今となっては、すっかり「行き詰まって」しまって。
一寸先は、闇
とまでは言わなくても、薄気味悪くて仕方がない。
「現実」を知ってしまったから
「限界」を知ってしまったから
私は、もう「行き詰まって」しまったのだ。
狼狽するしかないのだ。
こんなジメジメした毎日から抜け出したい。
出来ることなら「初心」に帰りたい。
…ところで、「初心」て何なのだろう?
何も知らないが故の勢い
…の様な気がする、今思えば、
新鮮さ故の謙虚さ
…の様な気もする、今思えば、
未知への期待が強い時期の勘違い
…だったのかもしれない、今思えば、
つまり、「もう取り戻すことのでき無い」 '初々しさ'ってやつなのだろう…
……本当にそうかな?
今、'初心'に恋い焦がれているあなたは、
「勉強をしてきた、
経験を重ねた、
自分は成長したはずだ。
しかし、'初々しさ'を失って行き詰まっている。
原因は、失った'初々しさ'が、もう「取り戻すことの出来ない」ものだからだ。」
と感じているかもしれない。
でも、それは、思い違いなんだ。
'初々しさ'は、初めだけのものではない。
おそらく、あなたの求めている'初々しさ'は、
「自分の実力への探求心」
なんだ。
ただ、
「初め」に見ていた景色と、
「今」見えてる景色
が少し違うだけなんだ。
だから、「過去」でしかない「初め」の「景色」にとらわれるのではなく、
「自分にできること」、
「自分の歩幅」、
に目を向けるべきなんだ。
確かに、あなたは、当初は、
「今とは別の景色」を追いかけていたのかもしれない。
しかし、これまでに、あなたが進んできた「道」は、
「景色ありき」の進路なのではなく、
あなたが、初めに見ていた景色を、「きっかけ」として、
「あなたの時間」を、
「あなたの命のエネルギー」を、
費やして造り上げてきた「轍」なんだ。
あなたは、追いかける景色を間違えて今に至ったのではない。
あなたは、進歩を繰り返すことにより、
初めに見えていた水平線の「向こう側」
に、たどり着いたのだ。
今、あなたは、新たな「始まりの景色」を見ているのだ。
だから、今、あなたに必要なのは、
自分で培ってきた「轍」
も含めた、
「今」見える景色
に対して、
「自分がどれだけ進めるか?」
に目を向けることなのだ。
すなわち、
「自分の実力」に向かう「好奇心」
に目を向けることなのだ。
そして、それを「行動の機動力」とすることなのだ。
なぜなら、
人の「行動」は、「目的」で終わるのではなく、
「目的に向かった」という「行動」が、「自分の命」を繋ぐのだから。
「初心」が、人にもたらすインスピレーションの根源は、
目的の「向こう側」にある、「生存」なのだから。