見出し画像

お風呂に窓があったなら

これまで一人暮らしをしてきて、何回か引越し、色々なアパートやマンションで生活してきた。

その中で、お風呂に窓がついていたのはひとつだけだ。

それ以外は換気扇はあるものの、窓のないお風呂のある住まいだった。

実家や親戚の家には当然のようにあったため、
最初の頃は、窓のないお風呂というものに対して何となく閉塞感というか、密閉空間のような窮屈さを感じていた。
実際はしっかりと換気されていて、ちっとも苦しくないのだけれど…
何となく、
湯気で満ち、冷たい空気が存在しないその空間は
“銭湯”の大浴場のような感じがする。

そして私は、
どちらかといえば“露天風呂”が好きだ。

“大浴場”と“露天風呂”


“大浴場”は、大きくて広いととてもワクワクするし、人がいれば安心する。

カポーン。

桶の音や、シャワーの音。
モヤのかかった空間に、温泉の風情を感じる。

一方で

“露天風呂”は、爽やかで冷たい空気に、温かいお風呂。
外という開放感。
それから、静けさ。
場所によっては、鈴虫の声や、波の音なども聞こえるかもしれない。

音も含めた環境が対称的で、とても面白い。
どちらも魅力的だ。

しかし私はどうやら、
静かな空間で、外の冷たい爽やかな空気と、湯船から湧き上がる湯気を感じながら浸かる温泉が、より好きなようだ。

“露天風呂”な空間にしたい


これを可能な限り、自宅のお風呂でも再現しようとしたことがある。

お風呂に浸かる時には
換気扇を消して、窓を開ける。
換気扇の「ゴー」や「ブンブン」という音は、“露天風呂”には無い音だからだ。

チャポン。

音はこれだけでいい。

さらに電気を消す。
明るすぎては、綺麗な夜空がよく見えない。

そして余裕がある時は
湯船の中にバスハーブや温泉の素などを入れると最高である。

自宅のお風呂が
「まるで露天風呂…。」と感じずにはいられない。


大事なのは、“音環境”と“ムード”と“空気”。


換気扇ではなく
窓を開け、風の力で空気を入れ替えて換気するのがこだわりポイントだ。

温かい湯船の中で爽やかな冷たい風を感じると、
より“露天風呂”の感覚に近づくような気がする。


今の家には、残念ながらお風呂に窓がない。

しかし久々に実家に帰ってお風呂を見た時
ふと「窓がある!」と思った。

夏場はシャワーだけで済ませたり、
最近は実家に帰った時も、お湯に浸かった途端に体が一気に重たくなり、動けなくなって、換気扇を消しに行ったり、窓を開けたりしていなかった。


風も秋めいてきて、心地よい季節。

爽やかな秋風を招き入れるため、
次回実家に帰ったら、久々に窓を開けて
“露天風呂”気分を味わいたい。


2023.10.29


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?