
詩でも小説でもない、ただ自由にいつかの誰かの何かのお話を書いた「白の手帖」シリーズをまとめたものになります。中には私、白散歩の要素を含む頁もございます。(4頁「百合の色、白とそれ…
- 運営しているクリエイター
#わたしのあたまのなか
【白の手帖】4頁「百合の色、白とそれから」
私は空腹でした。
当たり前で満たされているこの世界に
嫌気がさしていたのかもしれません。
欲というものは厄介で、
欲によってヒトは何か誤ちを犯したり
後悔してしまうのかもしれません。
これはヒトでいる限り
付き纏ってくるのでしょうか。
そんなことを考えながら私は、
乾いた唇をギュッと固く結びました。
「白、代わって」
声がしました。
「いいけど、何か食べたらね。」
私はしっかりと返事