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過ぎ行く時の中で

月明かりが  君をいっそう美しく照らす

そんな夏の夜に
僕は君と出会った

人生に迷い 悩み 苦しみ

どこか遠くへ
誰も知らない所へ

目の前にぼんやりと無数の星が……

どうやら僕は
見知らぬ山奥のキャンプ場に来ていたらしい

無数のテントの灯りは
満点の星空のように暖かく
僕を迎え入れてくれた

ふと

心地よい音色が 心地よい風と共に
僕の耳にたどり着く

音色の方向に目を向けると
満天の星の中で
月明かりに照らされて  
口笛を吹く  君が……

その音色は  疲れ果てた僕の心に
染み渡り  そして語り掛ける

風も  音色も  人生も
全ては 前進している

立ち止まることも無く  
吹いては消え
響き渡っては 無音となり
歩いていけば 先が見える

昨日までの僕の悔し涙も  そう
今は枯れ果て跡形もない

ここからもう一度
歩きだそう

新しい希望の明日へと……

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