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#3 ロンドンで暮らしてみた感想〜ロンドンで会った人々編〜

今回はロンドンで会った人々の話。

ロンドンに住んでいる人達についてあまり人懐こいイメージはありません。

南の国の人は積極的に話しかけてくる印象ですが、ロンドンのパブで飲んでいてフレンドリーに話しかけられることなんて滅多にないです。(ナンパ目的くらい)

唯一ロンドナーが饒舌になるのがフットボールの試合のとき。

ある日駅から家までの道に通れないほど人が溢れており、端っこにいたおじさんに「What Happened?(なにごと?)」と聞くと、興奮気味にフットボールの試合のことを教えてくれました。

あれよあれよという間に歓喜と絶叫の渦に飲み込まれ、のせられるまま店員さんにサイダー(りんごのお酒)をもらい、おじさんだらけのテーブルに押し付けられながらチップス(フライドポテト)を食べました。

この時パブのテレビでライブビューイングされていたのがサッカーW杯ロシア大会2018です。

サッカーには全然詳しくなかったので(フットサルやってたくせに)、とにかく周りの話を聞いて相槌を打っていました。

同時刻、若者たちの多くはハイドパークなどに作られた大きな会場で観戦していたそうです。近所の老舗パブには仕事帰りのおじさんや近所のおばさん、おじいさん達しかおらず、日本人の女の子がおじいさん達に挟まれているという奇妙な光景ができていました。


おじいさんといえば、ロンドンで会った老人たちには総じて「優しかった」という記憶があります。

アイスをおまけしてくれたカフェの老紳士。スコーンの食べ方を丁寧に教えてくれたステラおばさんのような店主。公園のベンチで一緒にひなたぼっこした老夫婦。

ロンドンという都会の中で世界中の人たちと接してきた老人たちには、どこか思いやりと心の余裕があるように感じました。

それに対して若者たちは実に都会人らしい印象です。

自転車に乗っていてスピードが遅くなるとジロッと睨まれたり(前回書いたとおりこちらの人はめちゃくちゃ自転車を漕ぐのが速い)。異物感のあるものに冷たい目線を向ける感じが日本と似ているなぁと感じました。

ピシッとスーツをきているロンドナーはとても格好いいのですが、道端の人に優しいかというとそうでもありません。

カフェの中でも同業者で集まっていて、周りに気遣いをするという雰囲気はあまり感じませんでした。(レディファーストはしますが、フレンドリーではないという意味です)

またロンドンにいる日本人が、会う人会う人意識高い系なのにはちょっと疲れてしまいました。偶然かもしれませんが、私がロンドンで会った若者たちはとにかくクリエイター系が多かった。

1番多かったのが美容師、ついでイラストレーター、ついで建築家です。日本にいて「そんなに会う機会ある?」というような人ばかりでした。

みんなやり遂げたい目標をもって毎日忙しそうに暮らしていて。「目的もなくただ暮らしにきた」といっても「それで何するの?」みたいな。ただただ疎外感を抱いたことを覚えています。

MBA取得のためにビジネススクールに留学しているという人にもちょこちょこお会いしました。そのまま現地のコネクションを作ろうという熱い目的を持った人が多いようです。すこし話しただけでも熱量がすごくて「う、意識が高すぎる…」と眩しすぎました。

実際にロンドンに根を下ろせばまた違った交流関係もあるのだと思います。けれど私の中でロンドンは「多くのギラギラした若者が集まる都市」そんなイメージになりました。

ギラギラしているといえば。

ヨーロッパは公園の芝生でくつろぐ人が多いのですが、これまで訪れた国の中で、日本以外だとロンドンが最も「人目を気にしている」という印象を持っています。

ひとりでいる人を可哀想な目でみるというか。「あ、これマウンティングされてるな」と感じることが。「何でそんなことわかるんだよ!」と言われれば「他の国で暮らしたときとの比較でなんとなく」です。

スウェーデンやフィンランドは本当にだれも気にしない。ひとりで半裸で寝ていても、芝生でヨガをしていても。ちらっと目を向ける人さえいない。そもそも気に止めさえしないレベル。

いろんな国で芝生時間を過ごしましたがベルリンや北欧ではロンドンよりも自由に時間を楽しんでいる雰囲気がありました。ベルリンはファミリー層が多かったな。

ロンドンの公園の芝生はカップルや友人が多くて、ひとり者に冷たい。気にしすぎといわれればそうかもしれませんが。

やはり都会になればなるほど競争社会にいればいるほど、若者の神経は過敏になるんだなと思ったのでした。

ロンドンは都会編へつづく

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