70.地道力
▶読む前の自分
以前経営者の方とお話させて頂いた際に、と「君の仕事を頑張る理由だと、社員は働きたいと思うか?」とズバリ言われ、理由の”健全さ”みたいなものを問われました。そこで読んだのがこの本です。
華やかなビジネスのイメージがある「美容室」で地道に努力を続けてきた國分さんの伝記を読んで、そのモチベーションや行動について学びたいという理由で、この本を手に取りました。
「目標」と「夢」の混同
夢は「○○になりたい、○○がしたい」、目標は「○○になる、○○をする」でした。私の仕事を頑張る理由はまさにこの夢だったわけです。
その夢を伝えても、「じゃあどうぞ。頑張って。笑」と言われて終わりでした。改めて考えてみればおっしゃる通りで、私も目標と夢を同じものと捉えていました。
夢は夢、自分の目標は何だろう、「何者になる」んだろうか、と考え直すきっかけになりました。
尊敬と感謝の念
自営業と経営者の違いを大きく示している言葉だと思いました。「自分のやりたいことだけをやっていい」のが自営業。社員と経営者のような2人以上の関係性がそこにはないのではないか、と思いました。
先ほど私があげたような「夢」を仕事にしようとしてる人は、どうしても経営者の立場になり得ないと思います。ということはつまり明確な目標設定を行い、そこに向かう自分のモチベーションを整えることは、結果組織を運営する上でのビジョンに繋がってきて、そこに共感して社員は働いてくれる、という流れになると思います。
自分1人ではない、組織でビジネスを作る、ということを再度感じました。
人・金・物のために頑張る
仕事を頑張ってお金を稼ぐ理由は人それぞれです。
「いい車に乗りたい」「豪遊したい」「旅行に行きたい」など、特に20代の会社員なんて金や物のために頑張る、つまりは「自分のために」頑張っていることがほとんどだと思います。少なくとも私はそうです。
この本の中では以下の言葉があるように、そんなモチベーションも背中を押してくれています。
ですが、今まで自分が頑張ってきた理由のうち一つくらいは「他人のために」というものがあるのではないでしょうか。
この言葉に強く共感しました。
自分の人生を振り返っても、頑張れた時、踏ん張れた時、結果を残せた時はいつもこの理由でした。
自分のことしか考えてなければ、行動はいつでも先送りにできます。
しかし他人のためと思うと、期限があってそこに向かう行動が必要で、それを今やらなければいけないのか、明日からでも間に合うのか、来年でもいいのか、問われるはずです。
私が頑張る理由も人のためでした。この言葉にとても心を救われました。
▶読んだ後の自分
改めて自分のやる理由・頑張る理由を振り返ってみると、いずれにしろ「自分のためではない」ということが明確になりました。(これも自己犠牲すぎて気持ち悪い話ですが笑)
仕事をするにも仲間がいて、楽しいことをするにも友人がいて、家族がいて、という状況こそ自分にとっての幸せなのですから。
ともなると、私が頑張るのも人のため。じゃあその中での最優先は誰のためなのか。ここまで具体にイメージすることができました。
またその他にも経営を肌で学び実践し継続するストーリーは、私のような"ゼロ"の人間にも夢を与えてくれる内容でした。特に多店舗経営をしている美容室や他のビジネスモデルに対する見方が変わりました。
そして本書のタイトルにもある「地道力」これを発揮できるかは、明確な目標設定や、その目標達成に向けた本人の本気度がとても重要になってきます。
今一度、自分を見つめなおす機会、そして一歩踏み出す勇気をもらえました。