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『県庁おもてなし課』
今読むべき本を読めた。
『県庁おもてなし課』有川浩
とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員の掛水史貴は、地方振興企画の手始めに地元出身の人気作家・吉門に観光特使を依頼する。が、吉門からは矢継ぎ早に駄目出しの嵐―どうすれば「お役所仕事」から抜け出して、地元に観光客を呼べるんだ!?悩みながらもふるさとに元気を取り戻すべく奮闘する掛水とおもてなし課の、苦しくも輝かしい日々が始まった。地方と恋をカラフルに描く観光エンタテインメント。
今年から異動して似たような業務に関わり始めたので、そういえばずっと読んでいなかったなと思い。
吉本や外部からのおもてなし課に対する辛辣な意見があまり他人事は思えず、前半はちょっと心苦しかった。でもそれが率直な民間の当然の意見だし考え方なんだよなと再認識。自分は前職の経験があるからと思っていたけど、今の職場での勤務の方が長くなって知らぬ間に不要な固定観念や慣習が染み付いてきたんだなとハッとさせられた。
『不便』を欠点だと思わず旅情とイコールだと思う、旅に『物語』という付加価値を与える、これらこそが地方が取り組むべき生きる道なんだなと感じた。
半ノンフィクションな取り組み自体も読み応えあるし、それらを取り巻く人間・恋愛関係もさすが有川浩というようなニヤけながら読める安定感があった。
これからもこの物語に立ち返って忘れてはいけない意識を維持し続けて行動に移したい。