あのとき、私はもう恋なんてしないって本当に思った。
もう恋なんてしない/槇原敬之
五年間お付き合いしていた人からある日突然別れを告げられた。私が22歳のとき。
彼は私を車で家まで送ってくれた。でもその時彼はとても不機嫌で、なぜそんなに不機嫌なのかすら分からない。渡したい物があるからちょっとだけ待ってて、と言って家に取りに行って帰ってきたらもう彼の車はなかった。
それでも私は諦めずしぶとく連絡し続けた。私のことを嫌いになった訳ではなさそうだった。彼は東京に就職することになっていて、下宿先を引き払い東京へ発つ前日に私は彼へ電話した。
携帯電話のない時代。家電のコードを引きずって自分の部屋で親に聞こえないように話した。彼を引き止めたかった。その時何を具体的に話したのかは記憶にないけど、とにかく何かを話しておかないといけないような気持ちで。
彼の引っ越し先も連絡先も知らなかったし、これでもうお別れだと悟っていた。彼からサヨナラと言われそうになるとすぐに別の話題に振った。その言葉をできる限り先延ばしにするために。
結局世が明けるまで話した。もう、本当に最後の最後。「それじゃ、もうそろそろ」と言われ、電話を切った。その後のことは記憶にない。ぼーっとして、確かそのまま床に突っ伏して泣き崩れていたはず。しばらくは起き上がることすらできなかったし一睡もできずにいた。
母には薄々気付かれていたんじゃないかな。私から「終わった」と伝えたのかも。(記憶力が悪くて申し訳ないです)
そのときに聴きまくったのがこの曲。「もし君に少しだけ強がりを言えるのなら、もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対」このフレーズで何回泣いたか。多分琵琶湖の水位が上がるくらい。(それは大げさ)
でも私はもう恋なんてしないなんて言わない、とは言えなかった。しばらく他の誰も好きにはなれなかった。結局彼とは電話で話したり再会したりはするのだけど、お互い違う人と結婚した。それ以来一度も会っても話してもいない。生きてるのかすらも知らない。
ヘッダー画像はMegu@家庭菜園と刺しゅう好きさんよりお借りしました。Meguさんはこちらの絵を槇原敬之さんの「冬がはじまるよ」をイメージして描かれたそうです。「どんなときも」も名曲中の名曲だー!
これを書こうと思ったのは、さちともこさんがモノカキングダムに参加されたこちらの記事がキッカケです。
こちらの記事ではさちともこさんの槇原さんに対する思いが率直に綴られている。私も昔を思い出してまた最近マッキーを聴いています。
今の槇原敬之さんに対して、思うことがある方もいると思う。そんなことも含めて記事に書かれているのでぜひ読んで欲しい。
ファンの心理はそれほど簡単なものじゃないし、簡単にやめられるほどのもんかな?私の立場だったらどう思うだろう
その人の曲が好きだったなら曲そのものも嫌いになれるだろうか?私にはなれない。
実在の人に例えるのは失礼だからやめておく。でも私なら曲までは否定できない。今でも槇原さんの曲を聴いて懐かしく思うし、聴いていて落ち着くし。
その辺のことを実際槇原さんの一ファンとして、さちともこさんの心境が書かれている。
今日は書く部のお題「この歌詞が刺さった!グッとフレーズ」でお届けしました。
今日もお読みいただきありがとうございました。
また明日?明後日?お会いしましょう。