メンズ事業部トーク「これからの話をしたい、聞きたい」!(前編)
こんにちは、マッシュnote編集部です。
今回は2020年9月に設立されたマッシュ初のメンズ事業本部を率いる大石事業本部長(以下、大石部長)を囲んで「これからの話をしたい、聞きたい!」と題した対談をお届けします。
大石部長からの声かけでメンズ事業部の3人(アウール ディレクター保田武志さん、アウール MD副部長 田中博貴さん、ジェラート ピケ ディレクター 大久保昌洋さん)が集まり、事業部立ち上げから今までの軌跡を振り返りながら、これからのマッシュのメンズブランドについてそれぞれの視点で語り合っていただきました。
2022年マッシュ初、メンズ事業部がスタート
ーメンズ事業部が立ち上がって3年目ですが、振り返ってみていかがでしょうか?
大石(メンズ事業部部長):数字的には順調にはきてるのかなと思いますが、一方で「男性に幸せを届けられているか」というと点でいくとまだまだだなと感じます。ファンは少しずつは増えてきてはいるるものの、もう少し伸ばしたいなと。特にジェラート ピケ オムに関していうと男性の方にも自分用で着てもらいたいという思いがある。9割以上が女性が男性に向けたギフトとして購入されている状況なので、今後は男性自ら購入する機会を増やしていけたら、よりメンズ事業部としては成長できるのかな。アウールもジェラート ピケ オムも男性の顧客がほとんどいない状況からスタートしてるので、一番の伸びしろはあるかなと感じてます。
大久保(ジェラート ピケ ディレクター):そうですね。ジェラート ピケ オムは元々ジェラート ピケというレディースから始まっていて、2軍落ちしたTシャツとかを家の中で部屋着みたいな感じで着てるなら、その時間をより楽しんでもらおうという想いがあります。女性には「お部屋時間を楽しむ」という認知が広がっていってると思いますがメンズではまだまだ。ジェラート ピケ オムは男性にも「家でより良い時間を過ごして欲しい」という意味合いがあり、そこに向けて今頑張っているところ。どうしてもレディースの「かわいらしい」がイメージとして先行してしまってますが、男性でもかわいいと思ってもらえるような、ちょっと癒されるようなデザインをしっかりと打ち出して届けていきたいと思っています。
ーアウールは振り返ってみて、いかがでしょうか?
保田(アウール ディレクター):アウールは本当にマッシュの新規事業ということで、ゼロからのスタート。顧客はもちろんいないですし、社内も社外も誰も知らない中でのスタートだったので、すべてが挑戦でした。今ちょうど3年目を迎える時期に入って、少しずつですけど顧客の方々も増えてきた実感があります。たくさんアウールを着ていただき、アウール中毒と言ったらおかしいですけど、本当に何度もリピートしてくれる方々がいることがブランドとしては大きなやりがいを感じている状況です。
田中(アウール MD副部長):ブランドを約3年間運営してきたなかでいうと「アウールみたいなブランドを待ってたよ」と、短期間でありながらファンになってくださった方がたくさんいるということを実感しています。当初、 顧客層としてイメージしていた方々に対しては、商品を通じて少しずつ幸せを届けることができているんじゃないかなと思っています。とはいえ、もっとたくさんの方にアウールを届けるには、顧客接点を広げることが私の中では1番の課題だと思っているので、今後はそこを中心に取り組んでいくフェーズに来ていると認識しています。
それぞれのブランドが直面していること
ー女性では定着したジェラート ピケの着心地やデザインも、男性が自ら選ぶとなるとまだ照れや抵抗を感じてしまうことがあるようですが、シックな色やシンプルな柄などメンズライクに寄せていくようなことはありますか?
大久保:そうですね。もちろんそういった側面もあるかなとは思っていますが、あくまでもジェラート ピケの中のジェラート ピケ オムなので「かわいい」というところはある程度保っていたい。男性が思う「かわいらしさ」と、女性が思う「かわいらしさ」とは違いはあると思っているので、その違いを明確化しながらデザインを作っていきたいと思っています。
大久保:とはいえ、それがこちら側の勝手な思い込みになってしまうと届くのにも時間がかかってしまうかなと思っています。いろんなコラボレーションなども上手くフックとして使いながら、男性が思う「かわいい」をお客様に共感してもらえるように作っていければと思っています。
ーアウールはまだ店舗数が少ないとのことですが、お客様との接点を増やすきっかけとしてやってみたいことはありますか?
保田:例えばジェラート ピケのように様々なコラボレーションをやるということも、もちろん魅力的です。今までもWASHIFABRIC®(天然由来の和紙繊維で抗菌・防臭、吸放湿性などの特徴を持つ多機能素材)を使った自社ブランドのアンダーソン アンダーソンとナイトウェアをコラボレーションさせて頂きましたが、普段アウールを着ている方の部屋着ってどんなものだろうと想像しながら、素材の上質さを活かして商品作りを進めました。アウール は30代から50代の男性に向けたブランドという設定でスタートしているので、お客様をしっかり理解してブランドとして見失わずにやっていきたいなと思ってます。今後もプロとして専業にしている方、道を極めている方々が創り出すモノやブランドとご一緒させていただくなど、いろいろなやり方を模索していきたいと思っています。
田中:コラボレーションはマッシュのレディースブランドで実施すると商品がより魅力的になるし、更に人気も出て実績も残しています。ですがメンズのマーケットにおいては、それが必ずしも同じようにならない場合も多いと感じています。なので自分たちでしっかり精査しながら進めていくべきだし、ブランドとしての「想いを伝える」「共感を得る」など顧客と向き合うことがこれからは必要だと感じています。
事業部で各ブランドがより勢力的に仕事ができる環境とは
ーマッシュのメンズ事業部にはそれぞれ全く違う世界観を持ったブランドが揃っていますが、チームをまとめていく、共に成長していくために大石部長はどんなことに留意していますか?
大石部長:基本的には僕は人それぞれの役割があると思っているので、ジェラート ピケ オムだったら大久保が責任者なので、彼が考えて責任を持って取り組んでくれたらいいのかなと思ってます。そこに対して僕が思うことは多少あったとしてもあまり干渉をしないで、最終的に何かあったときは僕が責任を取ればいい。それはどのブランドに対しても一緒。それぞれ責任持ってやって欲しいしチャレンジして欲しいなという感じです。もっと言うとチャレンジを止めたくないし、むしろいい意味でどんどん失敗してくれていいんじゃない?みたいな感覚でいます。人それぞれマネジメントって成功例も失敗例もあるので、どれが正しいとかどれがダメというのは僕の中ではないんです。
大石部長:僕は単純に色んなものを自由に楽しみながら仕事をしてくれたほうが、その人もやりがいを持ってやるだろうなと思うので、基本的にはそういう考え方でこれからも事業部を見守っていきたい。どっちかというとみんなが困った時に僕に言ってくれればいいし、それをサポートできればいい。みんながやらないこと、嫌がることを僕がやる。なので、みんなしか出来ないことを、全力でどんどんやってほしい。
田中:大石部長が僕らに任せてくださっている部分は本当に多いです。例えば役割という部分で見ても、僕はMDなのですが他のブランドのMDと僕の仕事と比べると全然違うなと感じることがあります。もちろん新規ブランドということもありますが、かなり色んなところに顔を出させてもらってると思います。本当にMDって何でも屋さんって言われるくらい色々なことをやりますが、その名の通り色々やることができる環境なんです。自分がこうしたいなということを行動できている。縛りがないというか、それはデザイナーにしても同じじゃないかな。こうやって自由にそして柔軟に、考えたり動く中で作られていくブランド、そしてデザインなので、他の会社が同じアウールを作ったとしても、全く違うものになったと思うんです。
保田:確かに、今までも何か商品やデザインに指示を出されるということはあまりなかったですね。逆にそれが緊張感を持ちながら仕事をすることにつながっています。自由にやらせてもらってる分、それ以上に責任感を持ってやらなきゃいけないなと。
大久保:ジェラート ピケ オムも発想の部分は常に委ねていただいているので、最大限に色んなことを考えることができ、良いものを作ることに集中できています。「このシリーズがお店に出る時にこういう施策をやりたい」「こういうノベルティを作りたい」とお願いすると、実際に形にしてもらえる。色んな場面で「発想を形にする」っていうのをチームでできているんじゃないかなと思います。
ジェラート ピケ オム (GELATO PIQUE HOMME) 公式HP
アウール(AOURE)公式HP