マッシュ フードラボ 飲食事業部トーク「仕事への熱い想い」(前編)
こんにちは、マッシュnote編集部です。
今回は「ジェラート ピケ カフェ」「コスメキッチン アダプテーション」「セサミストリートマーケットカフェ」「PARIYA」などを代表とするマッシュフードラボの飲食事業部にて活躍する4人(谷口さん、土田さん、峯さん、高橋さん)に「仕事への熱い想い」を語って頂きました。
仕事の魅力
谷口:Cosme Kitchen Adaptation コスメキッチン アダプテーション(以下、アダプテーション)でディレクターをしています。空間からメニュー開発まで、総指揮監督のような全体をディレクションする仕事です。
アダプテーションは「おいしく食べて、心も体も美しくなる」というブランドコンセプトが明確にあるのですが、それが私自身の食に対する思いや嗜好と合致しているので、どんな仕事の場面においても楽しみながら取り組めていることが魅力です。お店づくりやメニュー開発は自分のアイデンティティも詰めこんで表現しているので「アダプテーションの好きなポイントは?」と聞かれたら全部!と答えてしまうくらい大好きですね。
土田:セサミストリートマーケットのカフェの立ち上げから運営において携わっています。最近はメニューの企画と商品開発、またPARIYAでは食物販の企画も担当しています。
私が仕事で好きなところは「まだ存在しないものを作れる」というところですね。商品開発をすることが多く、これまでのキャリアの中で新しいブランドも今までたくさん立ち上げてきましたが、それぞれコンセプトに合ったもの、お店の雰囲気を取り込んだもの、など表現したいものが毎回違います。例えば今担当しているセサミストリートのようにブランドとしての知名度があっても、日本ではまだ世界観は伝えきれていない。そこをどうやって形にしよう、と考えながら商品を作っていけるのはやり甲斐があります。
峯:マッシュライフラボの飲食事業部で製作物、店舗装飾、デザイン企画などを担当しています。主にジェラート ピケ カフェの店舗デザインを多く手掛けています。
マッシュは、すごくクリエイティブにこだわりのある会社なので、デザインに携わっている人間としては、そういう環境に身を置けているということ自体がすごく恵まれているなと思っています。違った分野の方と接することも多いんですけどマッシュはファッションブランドも多く手掛ける会社なので、例えばピケ カフェだったら、ジェラート ピケのブランドの方々とやり取りさせて頂くことがあるんです。すると飲食事業部にいながら、全く違うフィールドの方からアイディアや着想をもらえる。それをデザインに反映していけることもあり、毎回すごく勉強になっています。
高橋:同じく飲食事業部で生産管理、商品開発を行っています。今年入社3年目でもともとはシェフとして仕事をしていましたが、私のように現場の料理人から開発職に入るケースって、今まであまりなかったと思うんです。
開発の場にはいろいろな職種の方々が携わっているので、料理人という1つの職人としての目線を使うのではく、様々な意見を束ねてどう表現していけば良いか、ということと対峙する機会が多いですね。葛藤がありながらも成長を感じています。
仕事においての困難とは
ー仕事の難しさには、どういったことがありますか?
谷口:私は企画開発するうえで現場からの「きっと完璧なものを出してくれるだろう」という期待とプレッシャーを感じることがあります。もちろんプロ意識を磨かれるので、自分にとっては良いことなのですが絶対に手を抜けないという緊張感は常にあります。メニューひとつにしても、過去に出したものより新しく優秀なものが提案されると思われているし、さらに限定メニューを出すとなると何か斬新なテーマを打ち出して勝負しないといけない。
特にコロナ渦を経たことで世の中の消費マインドや考え方に大きな変化が起こり、コンセプトの設定や新しいものの打ち出し方などは苦戦しているんです。
峯:私の場合、ジェラート ピケ カフェの企画の中で「こういうのがやりたい」とアイディアを出しても、現場の人と擦り合わせをすると「それを形にするのは現実的に難しいんじゃないか」という意見が出ることがあります。特にデザインの側面から話をすると、マッシュはクリエイティブへのこだわりがしっかりあるからこそ、その中にいる自分が出すものは完璧な状態、納得のいくものでなくてはいけないと思っているんです。
その前提があるうえで、もともと私自身すごく仕事に対しては完璧主義なところがあり、中途半端なものは出したくないという思いも強い。なので自分が出したアイディアをどうやって現場で形にするか、ということに本当に毎回悩みながら時間をかけて取り組んでいます。現場に食の分野のプロの方々はいても、食の分野でデザインをやっている、という人は私しかいないので現場や携わる人に納得してもらえるよう、何度も考え抜いています。
高橋:自分は「見かけと違って意外とネガティブだね」と言われるほど、実は物事に対してマイナスから入っていくタイプなので葛藤だらけなんです。マッシュの店舗では、料理ひとつにおいても店で出すにはまず「ブランド」という確立したものがあって、それを意識しなくてはならない。そのブランドに求められるものを形にする時、イメージはできても現実的に作るのは難しい、という壁によくぶつかります。
例えば、一般的なお菓子だと青いものって使わないんですよ、食欲を刺激する色ではないので。でもブランドのイメージカラーだとしたら、それを使ってどう美味しく見せるか、どうデザインするかを考え店舗側に提案する。
どんなにいい案で実現したくても様々な理由で叶わないことも多い。求められる答えをより良く表現していくためにどうすればいいかを考える過程は、本当に苦悩に近いものがあります。良いものを生み出すには、美的センスや芸術的な才能も必要です。難題だからこそ出来上がった時は嬉しいんですが、喜びより安堵という方が強いですね。
土田:私は「苦戦した」と感じることが実はあまりないんです。もちろん頭の中でずっと考え続けたり答えが出てこなくて悩んだりする時はあります。ですが試行錯誤してどうにか形にする、そこからまた工夫する、を繰り返すことを絶えずやっているので、それ自体に辛さをあまり感じることはなくて。何かを生み出す、ゼロから作り出すという作業自体が仕事そのものなので、深く考えたり迷ったりすることに特別感がないのかもしれませんね。
そういった意味では「困難」という場面も、今まで経験したことの積み重ねを駆使してうまく解決できている気がします。
プロ意識とは?
ープロとして仕事するうえで実行していること、心がけていることとは?
谷口:アダプテーションは2016年に「ヘルスコンシャス」をメインとしたコンセプトを打ち立てたことが食の分野では先駆けでした。ビーガンをメニューに取り入れたことも新しいスタイルとして見られていましたし。いろいろな企業が良い意味で真似てくれたことで、類似店が次々にオープンしていきましたが「先駆けでありたい」という思いはずっとあります。なので様々なリサーチの対象は国内より海外に向いていて、コロナ前は年に4回ほど海外に行き情報収集していました。
実際に足を運んだ先では空間や雰囲気を体感することも重要ですが、何より料理をしっかり味わいますね。もちろん同じように、私たちのお店にも様々な方が様々な目的で来店することも意識しています。美味しいもの提供するだけでなく、プロの方にも通用するものを表現していかなければいけないと思っています。
土田:私は多種多様なジャンルのいろいろなお店に行くようにしています。今はカフェ業態をやっているので特にカフェには頻繁に足を運んでいますね。お店でドーナツを扱っていることもあり、他店で食べるときは質感や大きさ、重さなど自分の目で確かめて食べて情報をインプットしています。
高橋:僕は食と無関係な場所にも学びに行くことが多く、コンビニや百貨店の化粧品売り場のあたりをウィンドウショッピングのように眺めたりしに行くこともあります。トレンドには様々な方向があると思っているし、アパレルを中心としたクリエイティブ企業のマッシュにいるからこそ、ファッションやデザインの目線から多角的に食も捉えるべきだと思っています。
例えば筋トレが最近のトレンドと聞けば自分もやってみて大会にも出てみようとか、メンズメイクもできるようになれば何か新しい発見があるかもしれないので勉強してみようとか。何か違うことをやってみると物の見方も変わることがわかっているので、気になることは積極的に関わるようにしています。
ユニバーサルスタジオやディズニーランドにもよく行きますが、音響の広がりや床の色など、空間をどう作り上げているか、みたいな部分もチェックします。このアイディアって何か作品にできるかな、という視点で多角的に見ていますし。そういう意味では世の中にある全てが仕事の材料になると思っています。
峯:私は自分の分野に限らず、いろんな分野の知識や経験が最終的にどんな形でデザインや商品に反映できるかを意識しているし、そこがまだ手探りだからこそ得られる視点を大事にしています。「このアイディア使えそうだな」と服のデザインから感じることもありますし、食とは全く違ったものから着想を得られることもあります。なので、アンテナを幅広く持つようすごく気をつけていて、色々なものを見て使えるかも!と思ったら、写真を撮ったりメモを取ったりしています。
前職は美容業界で食とは全く違う世界にいたからこそ発想できるものもあるので、異分野であってもなるべく機会を作って多くのものを見たり経験したりするようにしています。
あと私はデザインすることが仕事ですが、店舗に立って接客もさせてもらっています。お客様と距離が近いところに身を置けるのは、オフィスに籠りがちなデザイナーにとっては良い刺激になりますし、会話する様子や食事風景などを見るだけでも、励みや活力になるんです。展示している小物やディスプレイを見て「可愛い~」と言ってくださっている時の表情や、空間を楽しんでいるところを見ることができると嬉しくなり、また頑張ろう!と思えて元気になります。
後編はこちらから→
ジェラート ピケ カフェ:公式HP
Cosme Kitchen Adaptation:公式HP
セサミストリートマーケット:公式HP