『ファクトフルネス』/思い込みにとらわれず世界を正しく見ているか?
この本について
スウェーデンの国際保健医療研究所で長年にわたってデータ分析を行ってきたハンス・ロリング氏が、人々が持つ誤解や先入観、思い込みを払拭し、事実に基づく世界の実態を伝えるために書いた本。
この本は、私たちの認識や判断に影響を与える”10の思い込み”や、現実の状況に基づいたデータを用いた正確な情報提供など、目から鱗の内容が盛りだくさんです。
『ファクトフルネス』では、”10の思い込み”が視覚的にわかるような資料も添えて紹介されています。
これらは、世界を正しく理解するためのツールとして、偏見や感覚的な判断を排除するために役立ちます。
それぞれの”思い込み”について感想を述べてみます。
1章:「傾向と例外」
データに基づく大局的な傾向を見ながら、例外も考慮することが大切。
私たちはよく、例外的な事柄に焦点を当てがちだが、全体像を見ることが重要だ。
2章:「比較」
正しい比較をすることで、現実を正確に見ることができる。
同じカテゴリーのものを比較することで、本質的な違いを見つけ出すことができることがわかった。
3章:「カテゴリー化」
大きな問題を小さなカテゴリーに分け、それぞれに対するアプローチを考えることが大切。
大きな問題を一つの大きな問題と捉えない。
4章:「数の意味」
数字は、感覚やイメージに対して優先するべき。
数字に基づいて考えることで、感覚に流されることなく現実を正確に理解できる。
5章:「ストーリー」
物語は強力なツールであるが、事実と感情を分ける必要がある。
物語が事実と混ざると、偏見や感覚的な判断を引き起こす可能性があると理解できた。
6章:「規模」
問題の規模によって、そのアプローチや解決策は異なる。
問題を大きく見ても、小さく見ても、どちらも重要であり、それぞれに対するアプローチを考える必要があると感じた。
7章:「正確さと近似」
データを完全には把握できなくても、近似値で理解することができる。
私たちは完全なデータを得ることは難しいことも多いため、近似値を使っても問題ないことがわった。
8章:「過去・未来・現在」
過去と未来を考慮しながら、現在の状況を正しく理解することが大切。
過去の経験から学び、未来に向けたアプローチを考えることが必要であると感じた。
9章:「システム思考」
全体を俯瞰して見ることが重要。
単一の要素だけに注目していては、問題を解決することは難しいため、システム全体を考えることが必要であると理解した。
10章:「バランス」
世界は複雑であり、一方面だけにフォーカスしても正確な理解ができない。
バランスのとれた視点を持つことが重要だと感じた。
総合的な感想
『ファクトフルネス』は、人々が持つ思い込みや先入観によって歪められた世界の実態を正しく理解するための貴重な一冊であり、多くの人々に読んでほしい本です。
この本に触れ、より正確な情報、”ファクト”に基づいた判断ができるようになったと感じています。