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埼玉県庁は木質化だけでなく木造で建ててはどうか
埼玉県庁への期待は立地だけではない
埼玉県庁が建替えの時期に来ているので、場所について前回の記事では書きました。
埼玉県庁はどこに移転すべきか?|八木雅之/4代目地場ゼネコン社長
今回は今の時代に合った、県庁の建物自体の在り方を考えたいです。
検討委員会では性能はZEB Readyが最低限という言葉や、nearly ZEBを達成した事例についても触れていました。
PowerPoint プレゼンテーション
(参照:令和6年度 第1回 埼玉県県庁舎再整備懇話会 R6.11.26)
もちろん性能自体は大事ですし、省エネな建物にすることは大賛成です。
性能が良いことは当然、構造から検討するチャンス
上記のパワーポイントの資料P19に、「可能な範囲で、部分的にでも木造・木質化に取り組んでいくべき」の文言がありました!
少し消極的な言葉にも映りますが、木質化で終わらせることなく、木造化を取り入れてほしいと思います。
学校改修の場では、これまで多くの木質化が行われていますが、それは見た目的な要素が強いように感じます。
当然新築ではないので、躯体からは大きく変えられないこと、学校という教育の場で、木の素材に触れさせたい、という観点も強いと思います。
しかし、今回は建物自体を新築できる、いわば構造から考えることのできるチャンスです。
ここでは木造をぜひ採用し、埼玉県としての脱炭素化に対する姿勢をアピールするチャンスだと思います。
埼玉県内の公共木造事例も増える
実際、埼玉県でも
小鹿野町役場
ウッドデザイン賞 受賞作品データベース | 小鹿野町役場新庁舎 2023年受賞 受賞
埼玉県農業大学校
埼玉県農業大学校 - 埼玉県
飯能商工会議所
ウッドデザイン賞 受賞作品データベース | 飯能商工会議所 2020年受賞 受賞
などの公的な建物が純木造で建設され、各種の賞を受賞しています。
埼玉県庁もすべての棟とは言わないので、1つや2つ、純木造10階建てくらいで建設してはどうかと思います。
最後に木造の意義
木造は二酸化炭素を貯蔵するので、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて、建設時のCO2排出を減らすことができます。
耐火性能や耐震性能も変わらない性能にできることが、法令で整備されています。
民間の投資案件や企業の設備投資であれば、減価償却の観点で、融資の短くなる木造は、期間の長い鉄骨造やコンクリート造に比べて敬遠される可能性は否定できません。
ですが、今回は公共施設です。
脱炭素化を性能面だけでなく、外側からも見える化することが求められる建物になるはずです。
それが埼玉県が住民や、他県に対して脱炭素化の姿勢を示すことになるのではと思います。
まずは、場所の選定がどちらになるのか、大変楽しみです。