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2025年2月25日(火)「漁師料理(?)・日本以外の生魚料理」
今日の東京も快晴。
朝方の最低気温は-2℃強、日中の最高気温は13℃超迄上昇。先週来の寒波も今日で終わりかな。明日以降は暖かくなるようで、そろそろ本格的な春到来のカンジなのでしょうか。さて、
昨日は「未利用魚(??)・アマゾンのピーコックバス」についてお伝えしましたが、本日は「漁師料理(?)・日本以外の生魚料理」について書いて行きたいと思います(冒頭写真は韓国の海鮮系居酒屋で出て来たヒラマサの1種盛(笑))。
日本以外の生魚料理?
確かに、日本は全国ドコに行っても刺身の無い地域は殆ど無い(まぁ、山奥は別にして…)と言っても過言ではないホド、刺身が一般的なお国柄であります。
では何故日本に於いてはコレほど迄に刺身が一般的なのか?ソレは恐らく日本が海に四方を囲まれていて、海が近く鮮度の良いサカナが入手し易いコト、日本人はサカナの扱いが丁寧で鮮度保持技術に長けているコト等が大いにカンケーしているのではないかと推察しています。
世界を見渡せば、日本以外でも海の近くの場所なんて幾らでもありますが、コレ迄の会社員時代を通じて駐在した国々であったり、旅行をした国々であったりと、その都度地場の魚市場を数多く見て来ましたが、日本人ホド魚の扱いが丁寧で、鮮度保持の為に様々な工夫を凝らす民族ってのはあまり見掛けませんからね(魚獲るヒト→セリ落として魚を卸す仲卸業者→小売業者(スーパーや町の魚屋さん等)→魚を調理する料理人等の全般的なサプライチェーンを通じて!)。
では、具体的に日本以外で魚の生食を常としているトコロってドコなんだろ?と見てみると…(あ、因みにココでは世界中に広まりつつある和食(日本食)屋さんでの刺身は除外です)。
思い浮かぶのは、韓国のセンソンフェ(生鮮膾)、イタリアのカルパッチョ、ハワイのポキ、ペルーのセビチェ位ですかねぇ(中国ではココ30年ホドで「生魚片(sheng1 yu2 pian4:しゃんゆぃぴぇん)」と言って生の魚も食べるようにはなって来てますが、アレは和食からのモノなので除外です)。
では最初に、韓国のフェ。
コレは可也一般的ですね。その普及率たるや日本並みと言っても良いでしょう。ただ、日本の刺身と異なる点は、良く言えば豪快、悪く言えば単調で荒っぽい(笑)。日本のように2切を5種類で刺盛にするなんてコトはあまりやらず、マダイならマダイ、ヒラメならヒラメ1種類の刺身をどど~んと全部とか、多くても2種類とかですかね。そして食べ方はワサビに醤油も使うコトは使いますが、サンチュにチョジャン(コチュジャンに酢を混ぜたモノ)やサムジャン(コチュジャンに味噌混ぜたモノ)塗ってニンニク乗せて巻き巻きして食べると言う豪快さ。そして、ソジュ(韓国焼酎)をグビリ。コレはコレ、アリです。
また、韓国では熟成刺身と言うような概念はまだ殆ど浸透しておらず、鮮度が良いホド美味い、精力が付くと言った考えが基にあるみたいで、活魚が好まれます。神経締めしてキチンと処理されて死んだ魚よりも、養殖モノであれ、ヒレが多少ボロボロになったヤツであれ、活きたサカナ大歓迎の風潮はまだまだ根強い印象を受けました(一応、韓国に3.5年ホド住み、各地の漁港・市場を巡りに巡り、沢山の韓国式飲み屋で飲んだ感想…日本でも地方によっては似た考えのトコロもありますが)。
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次に、イタリアのカルパッチョ。
元々はイタリアはベネティア発祥の牛のヒレ肉を使った料理と言われており、その成り立ちは意外にも1950年頃とも言われていて、可也新しい料理のようなんです(ただ、ソレ以前から生の肉料理としてはフランスのタルタルステーキ等モンゴル(タタール人)の影響を受けた生肉料理はあったハズですが、その関連性については不詳です)。
今の日本では、カルパッチョと言えば生の牛肉と言うよりも魚貝類を使ったモノの方が多いようですが、この創作者については「LA BETTOLA da Ochiai」の落合務シェフだと言われてます。
作り方としては単純でカンタン、生の薄造りの刺身を更に平たく並べ、オリーブオイル・塩・胡椒・柑橘系を振り掛け、好みに応じて各種ハーブ類を乗せたり、パルミジャーノ・レッジャーノを振り掛けたりすれば、完成。
カンタン、早い、美味い刺身料理ですね。日本の刺身に食い飽きたら、コレまた宜し。
お次は、ハワイのポキ。ポケと呼ばれるコトもあるようです。
まぁ、ハワイは島なので当然昔から食べられている調理法のようです。古代ハワイでは、獲った鮮魚に海水塩・海藻・擂り潰した木の実等を擦り込んで食べていたようですが、その後アメリカ本土から鮭と塩がもたらされ、更には中国や日本からの移民が醤油や胡麻油等を持ち込んだコトによってポキは進化し、今のような状態になったのだとか。
基本は鮮度の良いマグロ(アヒ)やシイラ(マヒマヒ)等のブツ切りに醤油ベースのタレにアボカド等の香味野菜で和えれば出来上がり。ゴハンの上にコレを掛ければ、ポキ丼に。
ハワイには1回しか行ったコトなく、本場のポキは食べてませんが、この食い方であれば、間違いようはありませんね。コレもまた、今の食べ方になったのは然程古くはないようです。
最後は、ペルーのセビチェ(セビーチェとも)。
日本ではペルー料理のお店は然程多く無いので、知らないヒトもいるかも知れませんね。自分は三十数年前にペルーを旅した際に初めて食べる機会があり、「こりゃ中々に美味い刺身料理だな!」と感心した記憶が鮮明です。
ペルー沖にはフンボルト海流と言う寒流が流れているので、日本の北で獲れるような魚が豊富であり、脂の乗った良いモノが多いんですよね。メロ(マゼランアイナメ)であったり、ぺへレイであったり、イカだったりタコだったりの鮮度の良い魚介をポキと同様にブツ切りにして、タマネギやら各種香辛料、唐辛子等を入れ、柑橘系をたっぷりと掛けて和えれば出来上がり。一種のマリネではあるのですが、酢を使わないのが特徴。ペルーの国民食とも言われてるようです。
コレを肴に白ワインをグビリ。最高ですね。どうやら、ユネスコの世界文化遺産にも指定されている料理となったようです。
と言うワケで、漁師料理とは少々違うかも知れませんが(笑)、日本以外の刺身系料理のご紹介でした。
明日は「醗酵飲料(焼酎)・盛若」についてお届けする予定です。