移動すること、意味もなく(信濃毎日新聞連載4)
信濃毎日新聞での連載「思索のノート」の第4回です。2020年6月の文章。大学の授業も会議もオンラインになり、移動が極端に減った日々について。その後、年度後半は対面授業が再開されましたが、一年後の今、緊急事態宣言によって大学はまたオンラインで、ずっと自宅周辺にいる生活。移動することの必要性を、一年経った今でも同じく切実に感じています。
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新しい日常、なのだろうか。いつもの喫茶店はテーブルをひとつおきに使うようにして密集を避けている。自宅での執筆にも慣れたが、結局また午前中は喫茶店に通う生活に戻った。大阪はひじょうに低い感染者数が続いているので、マスク姿も見慣れてしまうと、いつしか何事も起こっていないみたいな気がしている。錯覚なのだが。
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