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「対話型鑑賞からはじめるWHAT MUSEUM ーみて・考えて・話して・聞く!現代アートを楽しもうー」に参加した
「対話型鑑賞からはじめるWHAT MUSEUM ーみて・考えて・話して・聞く!現代アートを楽しもうー」に参加した。
建築倉庫ミュージアムには行ったことがあったけど、WHAT MUSEUMにリニューアルしてからは行ったことがなく、ARDA 三ツ木さんファシリということで、興味を持つ。
この日の参加者には、六本木アートナイトのガイド仲間、ACOP(対話型鑑賞)学習仲間と、計4人の知り合いが参加していた。とびラーの方々など、ARDAの対話型鑑賞研修に触れている人が多め。
6名ずつ2グループに分かれて、それぞれにARDAのグループファシリがつく。
グループファシリは、三ツ木さんと桑原さんが担当していて、ぼくは三ツ木さんのグループだった。
今回のワークショップは、以下のような組み立てになっていた。
アートカードを選ぶ:展示作品がプリントされたカードから気になるものを一枚選ぶ
イントロ:イベント担当から寺田倉庫&WHAT MUSEUMの紹介、展覧会キュレーターから展示の紹介、三ツ木さんから今回のワークショップの案内
自己紹介:名前、朝ごはんで食べたもの、そのアートカードを選んだ理由
展示室をぐるっと回る:選んだアートカードにプリントされた作品を中心に見て回る。今回の鑑賞作品以外の作品で、プチ対話型鑑賞。
鑑賞作品で対話型鑑賞:展示室内で2作品の対話型鑑賞を。
鑑賞ノートで鑑賞タイム:作品の見方をサポートする”鑑賞ノート”を使って各々で鑑賞タイム
感想シェア
※456は展示室で、それ以外は展示室外のワークショップルームで
1. アートカードを選ぶ
ぼくが選んだ作品は「タラ・マダニ / Shit Mom (Construction)」
2. イントロ
イベント担当から寺田倉庫&WHAT MUSEUMの紹介
アートによるまちづくりの取り組みをしているという話が興味深かった。
展覧会キュレーターから展示の紹介
OKETA COLLECTION「YES YOU CAN −アートからみる生きる力−」展
> 桶田夫妻の現代アートコレクションの原点でもある世界的に著名な作家・草間彌生をはじめ、近年注目を集めている近藤亜樹やジュデ・ファドジュティミ、山下鉱加などの若手作家を含む国内外の女性作家の現代アート作品を展示
「桶田夫妻が一目惚れして魅了された作品」という言葉が気になって、桶田夫妻の心を動かす共通点が作品から見えるか?という視点で作品を見ていた。
三ツ木さんから今回のワークショップの案内
特に興味を惹かれたのは、世の中のアートコレクションや美術館の所蔵作品には、男性作家の作品が多く、女性作家の作品が少ない、という話。
インクルージョン&ダイバーシティの文脈で、日本の課題としてのジェンダーバランスに触れることが多いけど、鑑賞作品も男性作家のものが多いというのは盲点だった。
3. 自己紹介
ひとりずつ「お名前、今日の朝ごはん、アートカードの作品を選んだ理由」を。
ぼくが「タラ・マダニ / Shit Mom (Construction)」を選んだ理由は、
他の作品よりも「よくわからない」という感覚が強かったため。
遠くから見た作品は、ピンクのろうそく2本を中心とした立体作品に見えたが、近くから見たら立体作品ではなく平面作品で、加えてろうそくのようなものの下部には赤子が描かれていた。ますます強まるよくわからなさ。じっくり鑑賞する中で、仲良くなりたいという気持ちが湧いてくる。
4. 展示室をぐるっと回る
みんなで展示室内をぐるっと歩いて回る。
「草間彌生 / Infinity Nets TMPQ」
草間彌生の作品部屋ではじまるプチ対話型鑑賞。
近くで見ると、編み物を近くで見た時のように、絵筆の走る部分とそうでない部分が区別されて見える。
遠くで見ると、区別されていたものが一体となって、爬虫類の表皮のように繰り返しのパターンが描かれているように見える。
タラ・マダニ / Shit Mom (Construction)
大きな絵を近くで見て、ピンクのろうそくだと思っていたものが、ピンクの照明らしきものであることに気づく。
3D空間を想像させる平行線、熱を感じるピンクの光、溶ける造形、溶けるものに触れる赤子から、3Dプリンターの中の世界のようなものを想像していた。
5. 鑑賞作品で対話型鑑賞
川内 理香子 / Sun's trip
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photo by まっつん
へび、ナマケモノ?、龍、イノシシ?、アリクイ?、帽子のようなもの、鳥が二羽
これらが積み重なっている
三日月、星、内蔵、歯
NIGHT、MORNING、DAY、TRIPPING、DAY TRIPPINGという言葉
動物は干支を意味しているのではないか?辰巳午申酉亥など
情報提供として、作家が食に関心のあること、レヴィ・ストロースの神話からインスピレーションを得ていることに触れられる。
情報提供により、内臓や歯に加えて、黄色い色が脂肪の色に見えてくる。神話を参考にしているということで、登場している生き物は神話に登場するものだったのかなと考えていた。
近藤 亜樹 / 星、光る
卵に向かって足を伸ばす鳥、じゃれ合うように身体に手を添わせる2頭の熊、抱き合うこどもと女性など、大事なものに手を伸ばしているように見える。
手前を向いている蝶、沢山の開いた花も手前を向いている、大事なものに手を伸ばすように、作品の鑑賞者の方向に花や昆虫の身体が開かれている。
子を抱く女性も鑑賞者の方を見ている。
情報提供として、作家に起きたできごとが紹介される。
6. 鑑賞ノートで鑑賞タイム
参加者に鑑賞ノートが配られる。
鑑賞ノートは、Rollbahnのノートに、問いかけが書かれたシール、展示をよりよく知るためのQRコード(出展作家紹介、アーティストインタビュー、WHAT MUSEUMアプリ)、TENNOZ ART MAP 2022が付いている。
各々自由に作品を選び、鑑賞ノートで作品鑑賞を進める。
7. 感想シェア
グループに分かれて、一人ひとりの感想をシェアしていく。
女性作家らしい生々しい感覚を表現しているような作品。
食べるということへの感覚、こどもや自分を取り巻く社会との関係性。
ついつい男性としての癖もあるのか、鑑賞が思考にとらわれがちだけど、作品から感じる生々しい感覚から、自分の感覚に意識がいく。
「対話型鑑賞からはじめるWHAT MUSEUM ーみて・考えて・話して・聞く!現代アートを楽しもうー」
はじめてのWHAT MUSEUM、対話型鑑賞を通じて現代アートが身近に感じられた。