幸運な病のレシピ:「煮しめカレー」
レシピ情報は「簡単」「馬鹿でもできる」安上がり』と呆れることばかり言う。そんなかんたんなら誰でもやっている。皆出来ないから苦しむのだ。多くの健康問題が商品化された食事にあるということは薄々気がついている。
時折、何を作ればいいか聞かれることが有る。僕は定番を持つことを勧めている。週に2−3回は「煮しめ」を作っている。大体2日くらいかけて食べるから、毎日少しずつ食べるのだ。
世界中で、煮しめに分類される料理は多い。「ポトフ」や「ハリラスープ」「肉じゃが」「カレー」「煮しめ」みな材料とスープの量と出汁の違いだ(笑)。その時の食材によって色々と考えるのが楽しい。
カレーは大好きなのだが、ご飯が食べたくなる。僕はII型糖尿病なのでできるだけご飯は避けるようにしている。そこで具を多くすると考えてみてもカレーの具はあまり多く出来ない。余り具を多くするとルーを溶かせないのだ。最後にルーを入れて溶かすとカレーの箱に書かれているからだ。
考えてみれば僕はマニュアル嫌いなのにいつもそのとおりにするのだろうかと思いお煮しめを薄味で作り、最後に別鍋でルーを溶かして入れてみることにした。
煮しめは偉大だ。これ一つ作っておいて、冷蔵庫に入れておくとちょっと小腹がすいたときにはつまめる。素材の水を大事にすることが出来るから嬉しい。厨房で作るとき煮ている時間があくので他の料理をしたり魚焼いたりができる。
夏の大根は目が詰まっているので小さめに切るといい。豚肉のような脂が出る具をいれるときは里芋やジャガイモが入ると冷めても分離しない。カレーのルーも同原理で食べやすくなる。
料理は簡単ではない。自分の身体にピッタリの味を見つけるのは容易ではない。おまけに家族の口も有るしね。出来上がった煮しめから自分の好きな武具材をとって食べるのはとても嬉しい。大抵僕は人気のないものの係になる。
料理を作るのは困難が多い。500円で満腹になる食事でもいいのかもしれない。僕も時にはカップめんを食べる。けど、30年後の自分に食べたもらうことを考えて毎日作る。いつか母のように作れなくなり、人様に助けてもらう日も来るだろう。そのとき、食事の価値を信じている人がたくさんいてくれると嬉しい。
大根は下茹でする。今回はじゃがいもはいれなかった。木綿豆腐も下茹。
生姜とニンニクを油で揚げるように煮る。煮しめでは生姜だけのことが多い。今日はにんにくを一緒にした。
ゴーヤから炒めた、高温だと苦味が消えるので一番にいれる。
手羽先を炒める、アクが出ないようにじっくりと加熱する、少し粉末のカレー粉もいれる。
ナス人参をいれる。じっくりと炒めていく。玉ねぎも入れて、野菜から水を出していく。ナスに吸わせて、ナス自身も味を出していく。味が一つにまとまっていく。
大根と豆腐をいれる。この2つが今回の味を吸う素材だ、有ればタケノコなんかも嬉しい。大根は下茹でしておくのが大事だ。
煮豆の缶詰をいれる。煮豆は缶詰を使うことが多い。ここからもう少し煮て、酒で鍋の底を洗う。肉や野菜の旨みが底に絡みついているので浮き上がらせるのだ。このプロセスはいつの何らかの酒で行う。「ワイン・紹興酒・日本酒」出したい味によって変える。水を加えて煮込む。
水は地球上の液体の中で、様々な化合物を最も溶けこませると聞いたことが有る。コトコトやると、味わいは一つになるのだ。
別鍋でルーを溶かす。これがとてもいいことなのだ。今日は「蜂カレー」と言うルーを使った。甘みがあってものすごく煮しめにあった。
普段はバーモントカレーかジャワカレーだ(笑)。そのうち真面目にスパイスの勉強しようと思いながらもう還暦である。
こうすると、具が多くてルーが少ないカレーが出来る。お煮しめの具材にとても良く会う。ガンモドキや厚揚げもいいし、蒟蒻も入ると嬉しい。「ごぼう、れんこん」なんかの根菜がもっとあってもいい。カボチャもあう。
何と言ってもカレーは万人の友だ。
うまそうじゃろ。生まれた時から料理ができる人間などいない。失敗しながら自分の味を見つけていこう。誰かとともに食べることが出来たらそれは限りない幸せ。
煮込みカレーは売っていない。自分いピッタリの食事は自分で作る他ない。そしてしれが食事の価値なのだ。金銭では評価できない。
小鍋に移して冷蔵庫に入れた。翌日温めて食べるの嬉しい。
今日は妻の料理に、煮しめカレーを合わせた。何にでも会うのが嬉しい。
夏も終わりになる、オクラは茹でてそのまま食べるがよろし。
マユは骨を貰えた。