物語を通して考える!社会を非暴力化していくための連続対話会
非暴力アナキストの田原真人です。
社会を非暴力化していくための連続対話会を実施します。
想いを同じくする皆さんのご参加をお待ちしています。
現代社会の暴力性について
私は、現代社会の暴力性とは、中央で作られた「正しさ」(メインストリームのナラティブ)が、教育やメディア、様々なコミュニケーションを通して、周辺に向かって一方的に押し付けられてくることから生じていると捉えています。この「正しさ」を内面化すると、自分の内側の正直な感覚を「あってはならないもの」として否定し、自分自身を疎外し始めるのです。
その結果、他者の正直な感覚を否定するという連鎖が起こり、社会的疎外へと繋がっていきます。このようにして、個人の「内なる声(自分自身のナラティブ)」が抑圧され、「思ったことを自由に言えない、生きにくい社会」が形成されていくのだと思います。
私の社会活動家としての活動は、どのようにして各自が「内なる声(自分自身のナラティブ)」を取り戻し、相手の「内なる声」を尊重できるようになり、自己疎外と社会的疎外を解消していくのかという問題意識から派生しています。
個人の発する語りの持つ力
しかし、現代社会の中で生まれ育った私たちにとって、この暴力性は常識の中に練りこまれてしまっており、見えにくくなっています。そのため、暴力が無自覚に再生産され、連鎖していく傾向があります。
どうやったら自己疎外に気づくことができるのか?
どうやったら自己疎外を解消していけるのか?
私は、そんなことを考え、数多くの対話の場を開いてきました。
そこで何度も遭遇したのは、
「他者の正直な声を聴いたことをきっかけにして、自分の内なる声を聴くことができた」
という体験から、自己疎外に気づき、ありのままの自分自身を取り戻していくというプロセスでした。
自分自身を疎外していたことを自覚し、それを悪戦苦闘しながら超えていくときに発する語りは、とてもパワフルです。その語りに深く共感して、自分ごととして聴いたとき、聴いた側も触発され、何かが目覚め、「自分自身になっていく」連鎖が起こるのです。
フィクションの「物語」によって引き出される、「自分自身の内なる声」
対話会を何年も続けて来た中で、「内なる声」と「現実」とのギャップを感じることがありました。「現実」について正直に語ろうとする場合に、プライバシーを守る必要があったり、様々な配慮が必要になったりして、語ることにブレーキがかかることがあるのです。
そのブレーキを外して、「内なる声」を語ることを可能にするのが、フィクションの「物語」の存在です。架空の登場人物に感情移入して追体験し、その登場人物を通して語ることで、ブレーキを外して「内なる声」を語りやすくなるのです。
自己疎外に気づくためには、他人の靴を履くような深い聴き方(=エンパシー)が必要です。相手の環世界を追体験することで、自分の環世界を相対化して、違いに気づくことができるからです。しかし、日常的には、多くの人は、自分自身の枠組みの中で相手の話を判断して聞いている場合が多いです。エンパシーするためには訓練が必要なのです。
ここでも、フィクションの「物語」が役立ちます。登場人物に感情移入して読むと、物語の環世界に没入することができ、エンパシーと同様の効果が生まれるからです。
フィクションの「物語」に没入する共通体験をした後に、社会の暴力性に関わるいくつかのテーマについて対話する会を行います。私たちの社会の暴力性や、私たちに生じている自己疎外の存在に気づき、そこから抜け出していくきっかけを作ることで、社会を非暴力化していきたいという願いを込めました。
物語を通して考える!社会を非暴力化していくための連続対話会
以下の日程で、連続対話会を実施します。
●日時
第1回 10/17(日) 20-21時 対話テーマ「疎外」(FBグループで録画を共有)
第2回 10/20(水) 20-21時 対話テーマ「アイデンティティ」(FBグループで録画を共有)
第3回 10/27(水)20-21時 対話テーマ「多様性」
※各回を独立して行いますので、1回だけの参加も可能です。
※予定が合わない方は、「10/27には参加できないが、興味がある」にチェックを入れてお申し込みください。Facebookグループへご招待します。
●課題図書 『ジミー』
表向きは普通だけれど、心は穏やかでない17歳のマイは、外国育ちのジミーに出会い、、。青い髪の女の子、モデルとして生きるリリー、かっこいいけど意地悪な光輝。誰も、気楽になんか生きてない。なんとかサバイバルするだけ。
アイデンティティと疎外、傷、生きること、成長すること、不安や希望、心の痛み。
「誰も、私のことなんか選ばない」というマイは、世界とつながることができるのか。
●ファシリテーター:田原真人自己組織化一筋約30年。生命論的世界観における教育、組織、社会のデザインを探究する独立研究者。「反転授業の研究」でのオンラインコミュニティ運営、自律分散型オンライン組織「トオラス」の経営を経て、2021年から、参加型社会学会を立ち上げ、社会のパラダイムシフトに取り組む。『Zoomオンライン革命』『出現する参加型社会』など著書11冊。参加型社会学会会長。IAF Japan理事。デジタルファシリテーター。非暴力アナキスト。マレーシア在住10年目。
●参加費 無料
●場所 Zoom
●参加方法
お申込みいただいた方に
ZoomのURL
課題図書の原稿データ
FBグループへの招待
をお送りします。
課題図書を読み終えてから対話会に参加してください。
●お申し込みはこちら
https://forms.gle/G5UKcRRiWkKrCtyEA
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?