感想:『センスは知識からはじまる』
くまモンやドコモのiDなどを生み出した有名デザイナーの水野学さんの本
「センス」という単語を聞くと、有名人やスポーツ選手が持っている天性の素質のようなものをイメージしがちですが、本書ではセンスは天才のひらめきではなく、「知識」にもとづく予想だと定義しています
センスはまず過去を知って知識を蓄えて、知識にもとづく予測とアウトプットを繰り返していくことで精度が高い(センスのある)アウトプットが作り出せるとしています
本書のなかで具体的に「センスのある」サービスや商品を生み出す方法として、センスを磨く方法とセンスから結論を出す方法が紹介されていて参考になりました。
具体的に知識を増やしてセンスを磨いていく方法は
①王道から解いていく
→「定番のもの」や「ロングセラーになっているもの」を見つけ出して、それを基準にする
②今、流行しているものを知る
→流行のものについて知る、効率の良い方法としては雑誌を読む
③「共通項」や「一定のルール」がないか
→自分なりに集めた知識に対して分析して、共通のルールがないかを考える
センスから選択・決断する方法としては
④共通項から疑問を見つける
→共通項に対して、自分なりに「なぜ」を考えて疑問を見つける
⑤疑問から仮説を導き出す
→疑問から「顧客はこういったデザインを好むのではないか」など仮説を導き出す
⑥仮説を検証し結論に結びつける
→仮説が正しいかどうか自分自身で検証して結論を出す
センスを磨く方法を考えてみると、センスとはストーリー(仮説)を作り出すことのように感じました
過去の実績を多く知って、仮説や結論を作り出しても、その過程や努力がなかなか目につかないことがほとんどだと思います
だからこそ客観的に見て「センス」が難しいものであったり天性のものとみなされるのではないかと思いました
「センスは知識からはじまる」のであれば、ビジネスの場での「暗黙知」や「長年の勘」と呼ばれているものも突き詰めて考えると、過去の知識や実績に基づく「センス」なのだろうと思いました。
「センス」を磨くためにも常に学び続けて専門性や経験を積み上げていくことが重要だと改めて認識しました
#読書 #インフォグラフィック #Reading #Infographic
『センスは知識からはじまる』