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セックス・ピストルズに学ぶ「炎上商法」
「ヒットの法則」シリーズ
今回は反感を買いながらも、見事に大衆を手玉にとった
セックス・ピストルズを取り上げます。
現在でこそ「炎上商法」という言葉があるように、世間の怒りを買って、それが逆に話題になって知名度を上げる方法があります。
これを1977年で駆使していたのがUKパンクのセックス・ピストルズ。
はっきり言って見事です。
では、2点出来事を紹介しましょう。
①レコード会社から違約金ゲット
1976年、大手レーベルのEMIと契約し、シングル「アナーキー・イン・ザ・U.K./アイ・ワナ・ビー・ミー」をリリースするが、出演したテレビで放送禁止用語を連発したことが問題となって契約を破棄され、結果としてバンドは巨額の違約金を手に入れた。その後、A&Mレコードと契約したが、シングル「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン/分かってたまるか」の発売直前に破棄され、またしてもバンドは巨額の違約金を手に入れた。最終的にヴァージン・レコードと契約する。
悪態をつくのもロック・アーティストの1つのイメージ戦略ですが、この場合はそれを超えて契約破棄にまでなります。 しかし、結果的に違約金を得てバンドはぼろ儲け。
②王室批判で逮捕
エリザベス女王在位25周年祝典の日に、テムズ川のボートでゲリラライヴを行い、英国国歌と同名の曲「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」を演奏し逮捕された。このプロモーションの成果は上々で、全英シングルチャートで最高2位(NMEチャートでは最高1位)を記録。
UKパンク・シーンを代表する人気曲「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」
モロに王室批判の同曲をテムズ川のボート上でライブ。
まぁ炎上しますよね。
しかも逮捕というわかりやすいオチつき。
おそらく新聞も取り上げた事でしょう。
「新聞記事は無料の宣伝媒体」 by アントニオ猪木
さて、この一連の騒動はバンド自身が行っていたことは間違いないのですが、これを裏でプロデュースしていたと思われるのがマネージャーの
マルコム・マクラレンと思われます。
その様子は映画「ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル(詐欺)」という映画にもまとめられており(現在DVDなど廃盤で悲しい)、アイデアと奇策はインターネットのなかった時代に非常に巧みでした。
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マルコム・マクラレンは残念ながら2010年に他界してしまいましたが、
もし彼が生きてたら今だとAIなども使って、何かの音楽を世間にかましていたかもしれません。
炎上して知名度を上げる。
現代だと使い方が難しいかもしれませんが、
広告費に換算すると非常に効果がある手法です。
今の日本だとyahooニュースのトップページですかね。
載ったもん勝ちみたいな。
マルコム天才。
私、マサが音楽関係者で最も尊敬する人です。
このような戦略を書いたのがこの「ヒットの法則」です。
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