29歳になって感じること。三十にして立つまであと1年で何ができるだろう。
株式会社Peer Lodge代表のまささいとうです。いいね機能がなく、視聴回数が見えない招待制の音声アプリ「Peer Radio(ピアラジオ)」をつくっています。
29歳になりました。年始に2020年の振り返りと2021年の抱負をnoteに書いたのですが、どちらもピアラジオに関する内容だったので、
今回は自分自身について、28歳を振り返り、29歳をどう過ごしたいかについて考えてみました。
子曰く、三十にして立つ。あと1年で、何ができるだろう。
28歳はどんな年だったか
3月末に退職して、4月にコロナ禍で起業しました。不安はあまりありませんでした。
借金して事業を始めるわけでもないし、上手くいかなくてもサラリーマンに戻るだけなので、失敗しても死ぬことはない。
起業してみて感じたのは、ああもっと早く起業しておけばよかったな、ということでした。
まだ全く成果を残していない自分が言えることではないかもしれないのですが、会社員時代とは使う筋肉が違うのかも、というのも何となく感じた1年でした。
前職では新規事業の立ち上げ、というポジションではありましたが、全く0からのスタートではなく、買収した会社の1→10のグロースという役割でした。
上場企業の新規事業のため、既存事業のチャネルなど、リソースは豊富にある。成果が出なかったとしても給与は入ってくる。
起業は、新規事業とは違いました。全くお金も信用も何もないところからスタートして、仲間を集めて、サービスをつくって、ユーザーに届けて。
何もないところから、誰かに喜んでもらえる価値を生むというのはこんなにも難しく、そして同時にこんなにも刺激的でワクワクすることなのか、と感じました。
この楽しさを知ってしまったら、自分は絶対にもう会社員には戻れない。そう思いました。
なかなか成果はすぐには出ない1年でした。年収は1/4くらいになりました。ギリギリ生き延びられる最低限だけ稼いで、あとはサービスとユーザーとひたすら向き合った1年でした。
焦ってすぐにマネタイズを見据えてサービスをつくらなくて良かった。これも、自分で事業をやっているからできた選択肢でした。企業内の新規事業だと、そこまでのんびり事業を進めることは難しかったと思います。
サービスをつくる時に引き算をしました。Peer Radio(ピアラジオ)はいわゆる音声SNSのようなサービスでありながら、
いいね機能をなくす、視聴回数を見えなくする、フォロー・フォロワー数を見えなくする、プロフィール画像をアップロードできなくする、招待制で誰でも使えないようにする
という設計を選びました。その選択は、マネタイズを考えると非常に悪手だと思います。
いいね数や視聴回数、フォロー・フォロワー数などの数によりユーザーの承認欲求を刺激して盛り上がりを生む方が今の時流に合っているし、ユーザーは集まりやすい。
承認欲求を満たすためには、プロフィール画像も自分でアップロード出来た方が良い。
招待制ではなく、誰でも使えるようにした方がユーザーは増えやすい。その方がマネタイズはしやすいです。
でも、自分たちはそれをしたくありませんでした。お金が欲しくて起業したわけではなくて、有名になりたくて起業したわけではなくて、
世の中を少しでも良くしたくて、自分たちが助けたい人たちに喜んでもらいたくて起業しました。
マネタイズをすぐに求められる企業内の新規事業だったとしたら、この事業は生まれてこなかったと思います。事業化もしていないかもしれません。
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自分が好きな仲間と働ける喜びも感じました。会社員だった頃は働く環境は選べなかったですが、起業してからは自分が働きたいと思った仲間と働くことができる。これはすごく嬉しいことでした。
初めてインターンメンバーを採用したり、会社員時代からお世話になっていた方と再開して事業を手伝ってもらったり、色々な出会いがあった1年でした。
ただ、それと同時に別れもあった1年でした。創業前から事業に携わってくれていたメンバーとの別れを経験したり、新しくチームにジョインしてくれたけどすぐにチームを去ることになってしまったメンバーもいたり。
別れは悲しいことですが、チームやサービスの存続を考えた時に、断腸の思いで別れを決断しないといけないこともある、ということも学びました。
メンバーに遠慮せず、自分の信じた道を進もうと決めました。誰にでも好かれようと思って、当たり障りのないように過ごしてはならないと感じました。
自分がすべきなのは目の前のメンバーに嫌われないようにすることではなく、嫌われることを恐れずに、チームやサービスの存続のための意思決定をしていくことだと学びました。
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家庭と起業の両立の難しさも感じました。1年間ほぼ全ての時間を事業に費やしてきたため、妻には負担をかけました。
起業するなら結婚する前の方が望ましいのかもしれないということは、何年か前の自分に伝えられるなら伝えておきたいことです。
何とか妻の協力と理解があって、日々を過ごしています。いつもありがとう。
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様々なことがありましたが、総じて充実した28歳の1年になりました。人生で一番刺激的で楽しい時間を過ごせたように感じます。
29歳。三十にして立つまであと1年で何ができるだろう
この1年は、以下のようなことに取り組んでいきたいと思っています。
・事業で価値を生み、収益を生む1年に
今年はいよいよマネタイズと向き合う1年に。社会性の高い事業を展開しながら収益を上げることの難しさを乗り越えていく1年にしたいと考えています。
自分たちがモデルケースとなり、そのような企業が1社でも社会に増えていくよう、じっくりと取り組んでいきます。
・心理学・社会学の学びを深め、サービスの思想や設計をさらに磨く1年に
サービスを次のステージに進めるための、さらなるインプットを。思想を磨きながら、サービスを科学的な知見を元に磨いていきたいと思います。
・家族を大切にする1年に
かなりタフな1年になることは予期されますが、家族との時間も大切にしていきます。社会を良くすることと、家族も幸せにすることを両立していきたいです。
・チームを強くする
さらなるサービスの成長が見込まれる1年。現状の体制だけでは乗り越えられない状況に直面することが予期されます。チームを強くするために、適切なタイミングで適切な採用を行っていきたいです。
・Swiftの勉強をする
プロダクトと向き合い、プロダクトの近くでユーザーへの価値を届けられるようにSwiftの勉強を。4月から開発に携われる状態になるべく勉強していきます。
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三十にして立つための、飛躍の1年に。
また1年後、noteを書きます。
おわりに
いいね機能がなく、視聴回数が見えない招待制の音声コミュニティ「Peer Radio(ピアラジオ)」をつくっています。
気になられた方おられましたら、よろしければユーザー登録いただけたら嬉しいです^^