
回るレコード 流れるコーヒー
ゆっくりとまわるレコードに針を落とす瞬間。
静かにやさしく。ほんの少し緊張する瞬間。
コーヒードリッパーに挽きたての粉を入れて
お湯を落とす瞬間。
静かにやさしく。コーヒーの機嫌を確かめるように。
最近気づいたこと。
なんか似てるなって。
その瞬間、流れ出す音楽、そしてコーヒーの香り。
最近、音楽ぜんぜん聴いてないよなあ。
たまにはゆっくりと、レコード、聴こうかな。
コーヒーを淹れながら、何を聴こうか考える。
昔よく聴いたLPジャケットを眺めていると
なんとも言えない不思議な気持ちが込み上げてくる。
もう逆戻りはできないもどかしさ、みたいなものなのか。
思い出の断片による切なさ、みたいなものなのか。
喉の奥から込み上げてくる
その甘酸っぱい何かを
淹れたてのコーヒーと一緒にごくりと飲み込んだ。
熱くて、ほろ苦かった。

1991年発表パワーポップの名盤
今聴いてもギターサウンドかっこいい

1995年リリース ぶっ飛んだサウンド なのにビロードのように
やさしく包み込んでくれる
透明なグリーンのビニール盤が素敵すぎる

1995年リリース 12インチシングル
今聴いても名曲
終盤のピアノの音色が好き このジャケが好き

2000年発表作 ひとりの夜によく聴いてたっけ
心の平穏を保つための癒しだった
あの頃は日々の栄養を摂るように
音楽を聴いてたなあ。
今は毎日をコーヒーと甘いもので
満たしているけれど。
でも、たぶんしあわせだ。