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仏教に学ぶ生き方、考え方「ハグ」

 抱きしめることを「ハグ」と言いますよね?

 確かに「抱きしめる」と言うより「ハグ」といったほうが、気軽な感じがします。

 最近の心理学の研究では、抱きしめることで、抱きしめられるほうはとても心が落ち着いて安心できるそうですが、抱きしめるほうも同じような安心感を味わえるそうです。

 つまりハグはお互いが安心感を高められるのですね。
 
 欧米では気軽にハグをしあったりしますが、日本人ではよほどの親しい人か、家族でないとなかなか「抵抗感」があります。

 さらにこのコロナ禍ではハグはおろか、「近づくこともためらわれる」ような時代になりました。

 でも実は、仏教にハグに関する教えが説かれているのです。

 それは「摂取不捨」(せっしゅふしゃ)の利益(りやく)と言うものです。

 「不捨」とは文字通り捨てられないという意味ですが、「摂取」とは一体どういうことなのでしょう?

 実はこの言葉は「しっかりと抱きしめて救い取る」という意味があります。

 つまり阿弥陀如来様が私たちをしっかりと抱きしめて離さずに救ってくれるのです。

 ちょうど小さな子どもが泣きじゃくっていると、お父さんやお母さんが抱きかかえて安心させるようなものでしょうか。

 暴れたり、蹴られたりしても、なだめながら決して離したりしませんよね?

 それと同じようなことだと思います。
 
 煩悩でしか考えられない私たちは苦しみや不安も絶え間なく起こってきます。

 その私たちをそのまましっかりと抱きしめて「安心していいんだよ。」という教えがまさに「摂取不捨」であり、「大慈悲心」なのですね。

 文化の違いやコロナ禍で現実ではなかなかハグはできませんが、気持ちだけはお互いハグしあって「慈悲の心」で生きていきたいものです。


☆今日の一句☆

 抱きしめて
    捨てられないよ
         ほとけさま

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