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仏教に学ぶ生き方、考え方「借り物競走」

 昭和時代の運動会で一番盛り上がる競技といえば、「借り物競争」ではないでしょうか?

 借り物が「意外なもの」だとなかなか見つからなかったり、「校長先生とか教頭先生」のような人の場合もあり、普段は近寄りづらい人でも親しみを感じる場面でもあります。

 昨今はコロナの影響で多分競技自体がなくなっているのかなと危惧しております。

 というのは子どもに「借りてくるということ」を体験できるいい機会なのではなかったかと思うのです。

 さて皆さんはもうお気づきかもしれませんが、この世は全て「借り物」であることをご存知ですか?

 「いやいやこれは自分がちゃんと手に入れたものだ」と怒られるかもしれませんが、実は手に入れられているのは、自分の「命がある間だけ」です。

 それは「モノ」だけではなく、「人との関係や自分の身体」なども含めて実は限りあるものなのです。

 そして借りたものは必ず返さないといけません。

 つまり人生の最後に「全て返す」ことになるのです。

 こう考えると、財産を持っている人はそれだけ「借り物が多い状態」だと言えます。

 借り物が多いとそれに連れて「執着心」も多くなります。

 執着心は手放す時に「多くの苦しみ」をもたらします。

 なのでモノや財産があっても執着心を持たないように「布施」をするわけです。

 布施行とはつまり「執着心から心を自由にする行い」と言ってもいいでしょう。


☆今日の一句☆

 執着心
   持てば持つほど
         湧いてくる

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